10の思い込みを乗り越えて考え方を変える「FACTFULNESS」口コミまとめ - 【Amazonオススメの本】

factfulness

Amazonでオススメの本を紹介するシリーズ。

今回は、10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣「FACTFULNESS」を紹介します。

最初の一冊は無料

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ファクトフルネスとはデータや事実にもとづき、世界を読み解く習慣のことです。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。世界を正しく見て、誰もが身につけておくべき習慣であるスキル「ファクトフルネス」が解説されています。

本書は世界で200万部を超える大ベストセラーであり、ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛しています。

この本では「賢い人ほど、世界の真実について勘違いをしている」と主張しています。

本書では世界の基本的な事実にまつわる13のクイズが紹介されています。

 

質問:世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?

・A 20%

・B 50%

・C 80%

質問:いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?

・A 20%

・B 50%

・C 80%

 

これらの質問の答えは本書に書かれています。

どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できていないそうです。さらにこれらの質問は専門家、高学歴、社会的地位がある人ほど正解率が低いという結果が出ています。その理由は、「10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているから」とのこと。

本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げています。どの分野でも最新の統計データを紹介しながら、「世界の正しい見方」を紹介しています。

なぜ人は正しい世界認識をしていないのか?

YouTubeで「ハンス ロスリング」と検索すれば10分ほどで本書のポイントがまとまったものを視聴できる。そちらを見てから本書に取り組めば、スムーズに理解できるはずだ。

他の多くの方が詳しくレビューを書いているので、私はこの本の趣旨のみをご紹介する。まずはじめに「人間が何かを選択しようとしたとき」の正解率はチンパンジー以下だという。その理由は、人間がこの世界を認識するときには必ずバイアス(思い込み)が働くからである。

チンパンジーはランダムに選ぶので、33%で正解するが、人間はバイアスによって正しく物事を捉えることができない。

具体例として、

・人間は「良いこと」より「悪いこと」の方が目につきやすい。(昔を懐かしみ、過去を美化しがち)

・人間は無意識に二極化して考えがちである。(例、富と貧困、正義と悪など。)

・人間はどうしても直線的に考えてしまう傾向がある。(「このまま人口が増え続けると、世界の人口がパンクする」という思い込みなど)

上記のようなバイアスが紹介される。

面白いのは、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほどバイアスに陥りやすいということ。皮肉にも「俺だけは正しい」と思い込むのも、これまたバイアスだ。正しく世界を認識するためのスタートとして、とても良いきっかけになるだろう。オススメしたい。

半分のページ数ですむ話です

世界の全体像を更新したい40代以上の人にはもってこい、の本です。特に生活レベルを四段階に分けて世界を眺めているのは秀逸なアイディアです。とても分かりやすく、本をあまり読まない人にもお勧めです。

しかし、何故評価の星が二つなのか?それは余談が多すぎるのと繰り返しの説明が多すぎるのです。重要なのは多めに見積もっても、初めの100ページ程度。日頃、ニュースの裏側や世界について考えている人には、不要と思われます。

本当は星三つぐらいは付けてもいい内容なのですが、この著者の世界観には共感できません。この本にたびたび「世界はよくなっている」と出てきますが、この場合の「世界」とは「人間社会」のみを限定的に指しているに過ぎません。

自然保護区が陸地の約15%に達したと本書にはありますが、地球上の森林の約50%はすでに失われ、今現在も日本の半分ほどの面積の森林が毎年消失し続けている事実は載っていません。そして、その半分の面積が砂漠化しています。

トラやパンダ、サイなどの哺乳類は絶滅寸前の危機的状況から改善しつつある、という事実は載っていますが、生物の絶滅のスピードが最小限に見積もっても自然絶滅の100倍以上の速さで進み、急速に生物の多様性が失われているという事実は乗っていません。

更に「DDTで死んだ人間はいないのだから、使えばよい。難民キャンプで蚊が媒介する伝染病を防げるから」と書いていますが、ネオニコチノイド系の農薬によって蜜蜂やトンボが大量死している事実には触れていません。

海洋資源については一言も触れておらず、水温の上昇や乱獲、水質汚染、マイクロプラスチックやバラスト水による生態系の変質などより、年々、悪くなっていることも(意図的に?)無視しています。海の森林と呼ばれるサンゴ礁の死滅などは全世界的に進行し、もはや破滅状態です。

約400ページもある本で世界について語っているのに、今、現在も続く大量生産・大量消費の社会(レベル4の生活)について何の懸念も書いていないのは違和感があります。

この本の中に、「あなたには(著者のこと)ビジョンがないと」アフリカの女性に批判されたエピソードが載っています。正にその通りです。「このままで、結構いい感じじゃない?」という結論で終わっています。世界について語っている本なのに、この本にはビジョンがないのは残念としかいいようがありません。

後進の皆さんへ、自戒の念を込めて

私は日本経済が華やかし1980年代に東南アジアに駐在し、ジャパンイズナンバーワンを体現するが如く現地にて営業マーケティング活動を行っていました。巷には急激な円高に伴う日本人旅行者が溢れ、昨今の中国人のように爆買いをしていました。まさに豊かな先進国と貧しい発展途上国の二極化の構図を身を持って経験しました。

その後、日本はバブルが弾け長い景気低迷に入る一方、東南アジア諸国(全てではありませんが)は目覚ましい経済発展を遂げました。現地に度々出張や旅行で渡航する機会があったので、私の東南アジア観光は適切なアップデートがなされているものと信じて疑いませんでした。

しかし二十代の若かりし頃の原体験は強烈で、本書を読んで初めてその呪縛に支配されてきたことに気づかされました。分断の時代は終わっていたのです。長い間海外事業に携わり間もなく定年を迎えますが、もっと前に本書に出会えていればと恥ずかしながら思っております。

後進の皆さんには私と同じ轍を踏まないよう本書をお勧めする次第です。

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