
audibleでオススメの本を紹介するシリーズ。
今回は哲学初心者向けの一冊「史上最強の哲学入門」を紹介します。
最高の真理を求めた男たちの熱き闘い!ソクラテス・デカルト・ニーチェ・サルトル・・・さらなる高みを目指し、知を闘わせてきた31人の哲学者たちの論が激突。まさに「史上最強」の哲学入門書!
「史上最強の哲学入門」の口コミ
入門者でも十分楽しめます!
哲学に関してはど素人で、一冊目の入門書として購入しました。
アマゾンのレビューがよかったので購入したのですが、表紙の絵があまり好みではなく、中身を開くまで正直内容が不安でした。
一言で感想を言いますと、一冊目の入門書としては「最高」です。とにかく内容が非常に分かりやすいです。
哲学ど素人でも分かるような言葉・表現しか使われていませんし、分かりにくい記述にはイラストを用いて説明しています。また著者のユーモラスな表現も多用されており、すっかり著者のファンになってしまいました笑
バキネタは知らなくても十分楽しめる
西洋哲学史上の著名人の思想について、平易に解説した哲学入門書です。
東洋思想は続編の別書籍なので、本書では取り扱っていません。
真理、国家、神、存在という4つのテーマで章分けして解説していくスタイルです。つまり、単純に古い思想家から並べた訳ではなく、本書の執筆方針に合う順序で思想家が登場します。
テーマの縛りがある状態で展開するからだと思われますが、各思想家について有名な用語や主張が網羅されている訳ではありません。
各章のテーマについてその思想家が主張したことを紹介していき、それぞれの章が1つのストーリーとして出来上がる感じです。章テーマが主で、思想家個人が従とイメージしても良いと思います。
私は続編の東洋思想編を先に読んだのですが、本書最終章の「存在」は、東洋思想と並べて学習しておきたい内容なので、2冊セットで読んでも楽しめます。
個人的には東洋編の方が面白かったので、そちらを楽しむためのステップとして本書を読むのもありだと思います。
著者は「バキ」の大ファンだそうで、バキやその他の古典的アニメをネタにした記述がところどころに出てきます。元ネタを知らない人は楽しめない部分ですが、特にきにする必要はないかと思います。本書の魅力はそこではなく、難解な思想を平易に説明して見せる執筆力にありますので。
著者の個人的センスだと思いますが、単に思想の紹介だけでなく、思想家の人物像が見えてくるような面白いエピソードも盛り込んでいます。
読みやすい
・はじめのバキの下りは正直「これいる?」
・でも読み始めるとめちゃめちゃ面白い
・バキを知らなくても、哲学に詳しくなくても、スラスラ読めます
・今風の例えが多いので若者でも楽しめる
・高校の倫理の授業受ける前に読みたかった
・意外と哲学者に(元)不埒者が多いことを知った
・東洋哲学版も即買いしました
解りすぎて恐ろしい
今まで哲学書は何冊かチャレンジしたが、大概途中で挫折した挙句、放り出して寝てしまうというパターンの繰り返しであった。だが本書は違った。
筆者はグラップラー刃牙の大ファンだそうだが、それこそ漫画でも読めるように一気に読めた。
哲学の入門書としては最良の中の一冊だと思う。哲学に興味がある方にはぜひ一読をオススメしたい。哲学は一体実生活の何の役に立つのか?疑問に思う方もおられると思う。だが実際は格差社会を産んだ新自由主義も、共産主義も一種の哲学なのである。私たちはなぜ働くのか?その回答を考えるのも哲学の仕事なのだ。
ルソーの哲学がなければフランス革命もなかったかもしれない。その意味で哲学は私たちの生活に密接に関係している。
一つ不満に思ったことは本書では「哲学」と「宗教」の区別が曖昧なこと。
哲学者はみな、「真理」を求めて思索を続ける。そのことに変わりはあるまい。
しかし学説の範囲にとどまっている間は新しい学説が出てくれば、以前の学説は否定されて次の学説に置き換わる。
しかし中には、フォロワーの数が異常に増えて、その節を唱えた人は教祖様になってしまい、その説は「真理」となって否定することは許されない。それが宗教なのだろう。
おそらく本当の「真理」などと言う者には永久にたどり着けないのではあるまいか。
本書はあくまでも「入門書」である。いわば軽妙な映画評論家の解説を聞いているようなもので、実際のところは自分で本格的に勉強してみなければ解らない。そのことだけは心にとどめておきたい。