英語を学ぶ一つの手段として「オンライン英会話」が挙げられます。
オンライン英会話は、インターネットに接続できる環境であればパソコンやスマホから場所を問わずに英語を学ぶことができ、その効果にも注目が集まっていきます。
オンライン英会話はよく通学型の「英会話スクール」と比較されます。スクールに通ってネイティブの先生から英語を学ぶことも選択肢の一つになりますが、価格が高いことや時間や場所が限られていることから、オンライン英会話を利用するという人は増えています。
確かに英会話スクールと比較すると、オンライン英会話は割安です。価格相場と比較すると約10分の1以下で英語のレッスンが受けられます。
ここで多くの人は
価格は安いけど効果はあるの?
という疑問を抱くのではないでしょうか。
英語を学ぶためのオンライン英会話ですから、いくら価格が安くても英語が身についていなければ意味はありません。
そこで今回は、オンライン英会話での学習効果についてまとめていきます。
オンライン英会話で効果を実感するために
オンライン英会話で効果を実感するためには、前提として「なぜ英語を学ぶのか」という動機付けが重要です。
この動機がなければ英語学習は継続できません。動機や英語を学ぼうという強い意志がなければ、オンライン英会話であろうが、英会話スクールであろうが、独学であろうが英語を身につけることはできません。
逆に強い動機さえあれば、英語を学ぶ手段は何でもいいのです。自分に合った学習手段を模索しましょう。
英語学習のモチベーションを高めるには
とにかく継続する
英語学習の効果を実感するためにはとにかく時間がかかります。この成長を実感できるまでの期間が長いため、多くの人が挫折していきます。
オンライン英会話で確実な効果を実感するのは、毎日英会話レッスンを受けて約半年後という人が多いようです。
もちろんレッスンを受けるだけでなく
- 語彙力を増やす
- 英語をたくさん聞く
などの自主学習も欠かせません。
レッスンだけでしか英語を学ばない場合、レッスンでしか使わない英語しか身につきません。汎用的なスキルを身につけるためにも積極的な学習が求められます。
オンライン英会話の効果
オンライン英会話を継続することで得られる効果について解説していきます。先ほども述べましたが、確実な効果を実感するためには最低でも6ヶ月は見込んでおいた方が良いでしょう。もちろんレッスン以外でどれだけ自習したかによっても効果が実感できるまでの期間は変わるでしょう。
オンライン英会話で挫折しそうになったら、ぜひこの記事に戻ってきてモチベーションを高めるのに役立てば幸いです。
リスニング面の効果
リスニングは、スピーキングよりも成長を実感するのが早いでしょう。
リスニングは以下のようなプロセスを経て、少しずつステップアップしていきます。
リスニング上達のプロセス
- 部分的に相手の話す内容が理解できる
- 日本語に翻訳して文章全体を理解できる
- 日本語で考えなくても理解できる(How are you?など)
オンライン英会話では、ある程度レッスンのパターンが決まっているため、回数を重ねていくうちに何度も同じフレーズや表現を聞くでしょう。
何度も繰り返されるフレーズは、頭の中で日本語に翻訳しなくても意味を理解できるようになります。
これはオンライン英会話レッスンに限った話ではありません。洋画や洋楽を何度も聞いたり見たりしていると、字幕なしでも何を言っているかを理解できるようになります。この段階がリスニングで目指すべきゴールです。
スピーキング面の効果
オンライン英会話でスピーキングが上達するプロセスは以下のようになります。
①何度も使うフレーズは無意識に話せる(Thank you, Helloなど)
②日本語を意識しながら話せる
①、②を繰り返しながら少しずつスピーキングのスキルが身についてきます。
オンライン英会話では、とにかく自分から英語を話す機会が多くなります。これまでの英語学習で全く英語を話していない人は戸惑うでしょう。
レッスン形式のオンライン英会話では、「質問に答える形式」や「簡単な受け答え」から始まります。このような受け答えにもパターンがあるため、話せる文章を少しずつ増やしていくことができます。
文章を丸暗記して話せるようになるのではなく、あくまでもパターンに当てはめながら文章を作ります。
頭の中で英文を作っている時のことを思い返してみてください。
すでに知識として知っている英文のパターンに当てはめて文章を作っているのではないでしょうか。ここで文法を意識せずに英文が作れていれば、中級者以上だと言って良いでしょう。あとはひたすらボキャブラリーを増やしていくのみです。
コミュニケーションに直結したスキルが身に付く
オンライン英会話では、実際のコミュニケーションの場面での会話に直結した効果があります。
- 聞く
- 理解する
- 話す
オンライン英会話では、基本的なコミュニケーションの流れを徹底的にトレーニングします。
これまでの英語学習で、上記の1〜3の流れに基づいて英語を学んでいた人は果たしてどのくらいいるでしょうか。
オンライン英会話では、基本的にマンツーマンでレッスンを行います。一緒に同じ部屋でレッスンを受ける他人はいません。必然的にこのような状況を作り出すことで上記の1〜3の一連のプロセスを繰り返します。
これがオンライン英会話のメリットです。「マンツーマン」というレッスン形式で実際のコミュニケーションスキルを身につけます。
TOEFLなどのスコアの点数が上がる
オンライン英会話は、TOEFLや英検などの試験対策、特にスピーキングに効果的です。
- 思考をまとめる
- 言語化する
TOEFLなどのスピーキングセッションで求められる一連の流れは、オンライン英会話でも養うことができます。TOEFLにはスピーキングセッションがあり、英語で即答できるスキルが求められます。そのため、スピーキングの練習を常日頃から習慣化していなければ、本番でスラスラと英語を話すことはできません。
そこで、論理的な文章の発話が求められるオンライン英会話が効果的です。TOEFLや英検などのスピーキングの対策ができるオンライン英会話もあるため、集中的なレッスンを受講することをおすすめします。
TOEFL対策ができるオンライン英会話
発音が良くなる
オンライン英会話では、とにかく自分で発音する機会が多くなります。そのとき発音が間違っていると、講師から指摘され正しい発音に矯正してくれます。
これまで正しい発音を意識せず、正しいと思っていた自己流の発音はことごとく修正されるでしょう。「マンツーマン」形式のレッスンという、オンライン英会話の最大のメリットを受けることができます。
英語で話すことに抵抗がなくなる
オンライン英会話で毎日のように講師と話していると、徐々に慣れてきて英語で話すことに対する抵抗がなくなっていきます。英語学習者にとって「英語を話す」こと自体が高い壁になっている人も多いでしょう。
オンライン英会話では、レッスン形式英語を話すトレーニングを積んでいくため、いきなりフリートークのようなコミュニケーションを取る必要はありません。
(※フリートークを目的としてレッスンも一部あります)
英語を話すことに対するハードルを下げたいという方はオンライン英会話を利用すると良いでしょう。
外国人に対して物怖じしなくなる
街中で外国人に突然話しかけられたことはありませんか?
私もかつて外国人に話しかけられた時に「I can't speak English!」と言い残して逃げたことがあります...。
今思い返せば、冷静に話を聞けばなんとか対応できていたかもしれません。
オンライン英会話で毎日外国人と話していれば、実生活で外国人に話しかけられても、焦らずに対応できるようになります。まずは「理解できなくても、対応する」ことを目指しましょう。対応した結果理解できなければそれでいいのです。
英語で考える癖がつく
英語を話すとなると、頭の中で英語で物事を考えるようになります。これは「英語脳」と言われています。
日常の中で英語で独り言を喋ったり、英語で考えることによってこの英語脳を育てることができます。
初めのうちは日本語から英語に翻訳して話すかもしれませんが、日本語で考えずとも直接英語での思考が可能になり、スピーキングのスキルが上達します。発言のたびに日本語で考えていては、リアルタイムのコミュニケーションでは役に立たないため、英語での思考は欠かせません。
海外に興味を持つようになる
オンライン英会話を継続することで、程度の差はあれど徐々に英語が理解できるようになっていきます。それに伴い、海外の文化、洋画やニュースなどに興味を持つようになります。英語が壁になってて踏み込めなかった領域にも、積極的に深入りできるようになります。
グローバル言語として英語を身につけることで世界は一気に広がります。
以上がオンライン英会話で実感できる学習効果です。
英語のような語学のスキルは、「スピーキングの実力」が「英語の実力」だと考えましょう。コミュニケーションはリスニングだけではなく、スピーキングもできて成立するものです。バランスの良い学習を心がけましょう。
まとめ:オンライン英会話を過信してはならない
オンライン英会話では日常的な会話しかできるようにはならず、英字新聞などで、馴染みのない英単語が出てくると途端に読めなくなってしまいます。
理解できている単語でしか文章は作れません。
英語を聞いた時に理解できないのは、インプットが圧倒的に足りていないからです。
オンライン英会話で受動的にレッスンを受けるのではなく、能動的に日々新しい英単語に触れ、確実に使える語彙を増やす努力が欠かせません。
英語が話せないと言っている人の多くは、圧倒的に語彙力が不足していると言っても良いでしょう。実際に英語を話さなければならない状態になった時に、「言いたいことは分かっているけど英語が出てこない」という人は「語彙力不足」だと認識しましょう。
実際に話さなければならない状況になった時に、自分の本当の英語力が分かります。