
国連は2011年以降国民の幸福度に関するデータを集め、評価した結果をレポートとして公開しています。
国連のレポート:
2019年は幸福とコミュニティに焦点を当てて調査したレポートがまとめられています。気になる方は一度目を通してみてはいかがでしょうか。
過去2年間で、国連はフィンランドを世界で最も幸福な国として位置付けています。なぜフィンランドはこれほどまでに国民の幸福度が高いのでしょうか。
Inc.comというサイトがまとめています。
Why Finland Is So Happy (and the U.S. Is So Depressed)
「https://www.inc.com/geoffrey-james/why-finland-is-so-happy-and-usa-so-miserable.html」
フィンランドの幸福度が高いとされる6つの要因について紹介します。
1.フィンランドの税金は高いが、それ以上のリターンを得られる
フィンランドは、国内総生産(GDP)の44%を税金として徴収しています。参考比較として他の国は以下の通りです。
- アメリカ・・・26%
- デンマーク・・・46%
- メキシコ・・・17%
GDPに対する税収率はデンマークが最も高くなっており、アメリカでは法人税は高いが、税収としては個人が収める所得税と社会保険が大半を占めているようです。ちなみに日本の税収率は30.7%となっています。
こうしてみると、フィンランドの税金は高く、国民の不満を買いそうな気もします。しかしながら、以下の2つの理由から税率が高くてもフィンランド人が不満を感じることは少ないとのこと。
①フィンランドでは、富裕層が貧困層や中流階級よりもはるかに多くの税金を払っています。税金だけではなく、富裕層に対しては貧困層よりも多額の罰金を貸すことができる法制度もあるようです。年収730ドルの人がスピード違反をした場合、103,000ドルの罰金を課されたという事例もあるようです。
②フィンランドでは、無料のヘルスケア、子供のための施設、インフラ整備などすぐに目に見えて役立つサービスに税金が使われる傾向があります。
2.働く親の生活をサポートする
フィンランドには、子供をもつ親のためにいくつものサポートシステムがあります。フィンランドの休暇の選択肢は多く、就学前のすべての子どもは、保育所、家庭保育所などに属します。子どもが3歳になるまで家で世話をすることができ、就学後は、労働時間を調整することが可能となるようです。
フィンランドには無料医療もあり、乳児の死亡率は出生1,000人あたり1.7人と世界的にも少なくなっています。
3.寛大な有給休暇が義務付けられている
フィンランドでは、フルタイムで働く新入社員に対して毎月2日間の有給休暇を取得することを義務付けています。1年間で24日間の有給休暇を取得できるというわけです。しかもこの制度が入社一年目の新入社員でも利用できます。フィンランドの企業には、平均して15の有給休暇制度があり、企業も積極的に推奨しているようです。
4.ビジネスがしやすい
ビジネスのしやすさに関する指数では、フィンランドは2008年から2019年まで平均すると13.67であり、2019年には過去最高の20となっています。
フィンランドには多くの億万長者がおり、その数は約786,000人に1人で、米国の億万長者である559,000人に1人にほぼ匹敵する数字です。
5.フィンランドには多くの素晴らしい公立学校がある
「テストのための指導」は、全人口を教育している国ではうまく機能するとされています。
フィンランドでは、教師が生徒をどのように指導するのが最善かを決定する権限を持っています。フィンランドにある3,500の公立学校で指導する62,000人の教師のほとんどが、教育に必要な修士号を取得するために国内の卒業生の上位10%から選ばれます。選ばれた優れた指導者しか教師になることはできないのです。
さらに、フィンランドのほとんど学校は規模が小さく、生徒の人数も少ないため、教師はすべての生徒を把握しています。ある指導方法でうまくいかない場合は、他の教師と相談して別の指導方法を検討します。
フィンランドは大学学部の授業料は無料になっているため、教育に多額のお金を費やしたり、借金をしたりせずに学士号を取得することが可能になっているのです。