この記事では、Nintendo SwitchとKOORUIのゲーミングモニター「G2511P」の相性について評価しています。
このモニターはSwitch 2の最大フレームレートである120Hzを軽く超えており、特に映像のなめらかさを求めるユーザーにおすすめできる性能を備えています。
4Kには対応していませんが、まだ4K対応のソフトが少ないことを考えれば十分に検討する価値があります。
価格も安く手に入りやすい価格帯のため、そこまで長時間ゲームはしないけど、なるべくハイクオリティなゲーム体験をしたいという方はぜひ参考にしてみてください。
映像解像度・リフレッシュレートの整合性
Nintendo Switch 2のTVモードでは、ドック経由のHDMI出力で最大3840×2160@60Hz、あるいは設定で1920×1080または2560×1440を選択した場合に120Hz出力が可能です。
つまりSwitch 2はHDR10対応かつ、フルHD解像度であれば120fpsの映像を出力できます。
一方、KOORUI G2511Pは24.5インチのIPSパネルで解像度1920×1080、リフレッシュレート最大200Hz対応です。
このため、Switch 2→G2511Pの組み合わせでは、Switch 2を1080p出力・120Hz駆動に設定することで、モニターの性能をフルに活用できます。
なおSwitch 2の4K出力(60Hz)はこのモニター側で表示できないため、モニター使用時は1080pに固定してプレイするのが基本となります。
HDMI接続の互換性
KOORUI G2511PにはHDMI 2.0端子が2系統搭載されています。
Switch 2のドックにもHDMI端子があり、同梱のHDMIケーブルを介して接続すれば映像伝送が可能です。
HDMI 2.0は1080p/120Hzに十分対応する帯域を持つため、ケーブルやポート側の帯域不足で問題が起きることは基本的にありません。
通常は接続後すぐにモニター側で入力をHDMIに切り替えれば映像が映ります。
万一映像が出ない場合はケーブルの抜き差しや再起動、モニターの入力切替を確認するとよいでしょう。
Adaptive Sync(可変リフレッシュレート)とHDR対応
Switch 2は可変リフレッシュレート(VRR)機能を備えますが、公式発表により「携帯モードのみVRR対応、Dock経由のTV出力では非対応」とされています。
つまりG2511PのFreeSync(VRR)機能はSwitch 2接続時には活かせません。
モニターは1080p/120Hzで固定表示となり、VRRによる滑らかな映像やティアリング低減は機能しません(ゲームをプレイする際はAdaptive Syncオン・オフを問わず表示可能です)。
一方、HDRについては両機器とも対応しています。
Switch 2はHDR10出力対応を公式に公表しており、G2511PもVESA DisplayHDR 400相当のHDR機能を備えています。
HDR対応ゲームや映像を出力すれば、明暗差の広い映像が表示可能です。
ただしG2511PのHDR400はピーク輝度350cd/m²程度のエントリー仕様で、ローカルディミングもないため、明暗表現は限定的です。
実際、レビューでは「HDR400対応とはいえ、より高価なモニターほどの明暗差はなく、期待値を高く持ちすぎると物足りない」と評価されています。
したがってHDRを有効化しても本格的なHDR表示ほどの効果は期待せず、あくまで「対応はしている」程度にとどまります。
表示品質と入力遅延
G2511PはIPS液晶を搭載しており、水平方向・垂直方向とも約178°の広視野角を備えています。
色域はDCI-P3 90%相当と広く、sRGBよりも豊かな発色を実現します。
実際、レビューでも「IPSパネルならではの広視野角と発色美、90% DCI-P3カバー率でより鮮やかで深みのある色彩表現が可能」と評価されています。
また、ノングレア処理とフリッカーフリー設計、ブルーライト低減機能により長時間使用でも目に優しい設計です。
応答速度は1ms(MPRT)で高速であり、リフレッシュレート200Hz対応も相まって、動きの速い映像でも残像やボケが極めて少ないです。
レビューレポートでは「200Hzの非常に高いリフレッシュレートで、60Hz/144Hzモニターに比べ動きが格段に滑らか。FPSゲームでは照準合わせが圧倒的にスムーズになった」と好意的に述べられています。
Adaptive Sync対応により映像のティアリングやスタッタリングも抑制されるため、総合的にゲーミング映像の品質は高い評価を受けています。
入力遅延も小さく(メーカー公称ではMPRT換算で1ms相当)、操作から画面反映までのタイムラグは極力抑えられています。
なおモニター本体にスピーカーは内蔵されていないため、音声は必ず外部機器(ヘッドホンやスピーカー)で再生する必要があります。
デザイン・設置性
外観はマットブラックで落ち着いたデザインです。
上下左右に比較的細いベゼルが採用されており、底部ベゼルのみ少し厚みがありますがロゴが控えめなので視線の邪魔になりません。
画面下部にKOORUIロゴが入っているほかは装飾的な要素がなく、シンプルで引き締まった印象です。
スタンドは幅広のT字型で安定感がありますが、高さ調整機能はなくチルト(前後角度調整)のみ対応します。
そのため設置時はモニター自体で高さを変えられず、視線合わせには座面や台座で調整する必要があります。
背面には75×75mmのVESAマウント穴が空いているので、モニターアームや壁掛けにも対応可能です。
ケーブル接続を妨げないように端子は背面下部に配置されています。
全体的な作りは価格相応ですが、ゲーミングモニターとして必要な機能は揃っており、コストパフォーマンスは高いと言えます。
使用上の注意点・おすすめ設定
解像度/リフレッシュレート
Switch 2側の映像設定を「1920×1080×120Hz」に設定します。
モニターはフルHDなので4K出力は無意味なため、常時1080pを選択します。
プレイするゲームが120fps対応であれば、Switch 2の設定画面で120Hzモードを有効化してください(非対応ゲームでは60Hz出力となります)。
120Hzモードでは動きが滑らかになりますが、ごくまれに相性で不安定になる場合は60Hz固定を試すと安定することがあります。
HDR設定
HDR対応のゲームを遊ぶ場合、Switch 2の設定でHDR10出力をオンにし、モニター側もHDRモードを有効化します。
HDR映像では明るい部分の輝度が高まり、暗部のディテールも残せますが、G2511PはHDR400なので劇的なコントラスト差はありません。
HDR時は輝度が高くなるため眩しく感じることもあるので、必要に応じてモニターの明るさ調整やゲーム内のHDR強度設定を見直してください。
Adaptive Sync (VRR)
G2511PはFreeSync Premiumに対応していますが、前述のとおりSwitch 2のTV出力はVRR非対応のため、この機能は使われません。
モニター側でVRRをオンにしても問題はありませんが、動作に変化はありません。
音声出力
モニターにスピーカーがないため、音声はSwitch 2ドックのHDMI出力からテレビやAV機器に送るか、Switch 2本体のヘッドホン端子(携帯モード時のみ)を使う必要があります。
据置き時は別途ヘッドホンやスピーカーを用意してください。
その他
Switch 2本体のUSB Type-C端子は映像出力に対応しておらず、必ず専用ドックを介してHDMI接続します。
モニターは75×75mmのVESAマウント対応なので、アームや壁掛けを使えば設置スペースの自由度が上がります。
以上の設定・注意点を守れば、Switch 2とG2511Pの組み合わせで快適にゲームを楽しめるでしょう。