Nintendo Switch 2(以下 Switch 2)はテレビモードでの映像出力において 最大3840×2160(4K)60fps、フルHD(1920×1080)やWQHD(2560×1440)で最大120fpsに対応し、HDR10もサポートする仕様です。
一方、東芝 REGZA ゲーミングモニター RM-G245N は23.8インチのフルHD(1920×1080) Fast IPSパネルを採用し、最大リフレッシュレート180Hz・応答速度1ms(GTG)、HDR10対応のゲーミングモニターです。
今回は、このモニターがSwitch 2用として使うときの相性について性能を比較しながら解説します。
解像度の互換性
Switch 2 のテレビモード出力は最大で4K60fpsですが、RM-G245N のパネルはフルHD(1920×1080)固定です。
したがって、Switch 2 をこのモニターに接続する場合、出力解像度は1920×1080に合わせる必要があります。
Switch 2 は設定で1080p出力(120Hz対応)が可能なため、モニターのネイティブ解像度で出力してスケーリング無しで表示できます。
もし仮にSwitch 2 が4K出力モードに設定されても、RM-G245N は入力信号をダウンスケーリングして表示する形になりますが、画質面では情報量が余るため若干のぼやけや解像感の低下が生じる可能性があります。
結論として、本組み合わせでは Switch 2 をフルHD(1080p)モードで使用し、120Hz出力を活用するのが最も適切です。
これにより画質劣化を避けつつ、高リフレッシュレートの恩恵も受けられます。
リフレッシュレートと応答速度
RM-G245N は最大180Hz駆動・応答速度1msの高速表示が可能であり、ゲーミングモニターとして非常に優れたスペックです。
Switch 2 はフルHD選択時に最大120fps出力できる仕様で、RM-G245N の180Hzにはやや余裕があります。
実際にSwitch 2 から1080p/120Hzで出力した映像を表示する場合、モニターはその120Hz信号を問題なく受けられ、残りのリフレッシュレート余裕(180Hzまで対応)によって表示が滑らかになります。
1msの高速応答も、素早い動きでも残像を抑えるため、オンライン対戦や高速アクションゲームで有利です。
例えば、Switch 2 対応ゲームで120fpsモードが用意されていれば、RM-G245N 上で滑らかな動きを十分に活かせます。
一方、ゲームやソフトが120fps未対応の場合は60fpsなど固定出力になりますが、モニター側の高性能スペックにより通常の60Hz表示でも残像は少なく快適です。
総じて高リフレッシュと高速応答を必要とするゲーム用途では相性が良い組み合わせと言えます。
HDR性能
Switch 2 はHDR10出力に対応しており、RM-G245N もHDR10入力に対応したモニターです。
理論的にはHDR10対応ゲームをプレイすれば、通常のフルHDモードでもHDR映像のリッチな色調や広色域を楽しめます。
ただし、RM-G245N の輝度は約280cd/㎡とゲーミングモニターとしては標準的で、またローカルディミング非搭載のため、ハイエンドTVのような劇的なHDR表現(非常に明るい白や深い黒)は期待できません。
それでも、対応ゲームの映像表現は「従来比でより鮮やか」になり、暗部・明部の階調が向上します。
Switch 2 側・モニター側ともにHDR10に対応している点は良いですが、実際に使用する際にはモニター性能(輝度・コントラスト)による制限があることを留意すべきです。
Adaptive Sync(可変リフレッシュレート)とVRR
RM-G245N はAdaptiveSync(FreeSync/G-Sync互換)に対応し、VRR入力信号を受けてティアリングやスタッタリングを低減できます。
しかしSwitch 2 側の仕様として、ドック経由(テレビモード)ではVRR出力に未対応であることが公式に確認されています。
Switch 2 は携帯モード時の内蔵ディスプレイにのみVRR(可変リフレッシュ)機能を持ち、HDMI出力時には固定リフレッシュレート(60Hzまたは120Hz)のみとなります。
そのため、テレビ/モニター接続ではAdaptiveSyncの機能は活かせません。
要するに、Switch 2 からRM-G245N への出力はVRR非対応の固定フレームになりますので、モニターのAdaptiveSync機能はこの組み合わせでは利用されないと考えられます。
ゲーム側でフレームレートが大きく変動する場合は、VRR非対応のため低フレーム時にカクつき感が生じ得る点に注意が必要です。
HDMI互換性
Switch 2 のHDMI出力は4K60Hz対応のHDMI 2.0相当であることが発表されています。
HDMI2.1が付属しますが、4K120fpsが同時に出力されるわけではないので、実質的にはHDMI2.0でも事足ります。
RM-G245N もHDMI端子を2基搭載し、フルHDで180Hzまでの映像信号を受けられるため、おそらくHDMI 2.0以上相当の帯域幅を満たしています。
したがって、Switch 2 ドックからモニターへのHDMI接続に互換性問題はなく、映像・音声信号は正常に伝送されます。
なお、Switch 2 のドック内ではUSB-CからHDMIへの信号変換を行っていますが、現時点でUSB-C→HDMIでのVRRサポートは技術的に難しいため、前述の通りVRR非対応となっています。
その他、HDCPやHDR10といったプロテクト・フォーマットの互換性にも問題はありません。
付属のHDMIケーブル(モニター付属)で簡単に接続できるため、ケーブル・端子周りで特別な懸念はほぼありません。
デザイン・機能性
東芝 REGZA RM-G245N は黒を基調としたシンプルなモニターデザインで、23.8インチの画面は枠(ベゼル)も比較的狭額縁になっています。
Switch 2 の本体色やJoy-Conとはデザイン性の統一感は薄いものの、モニターとしては一般的なゲーミングスタイルでデスク環境に溶け込みやすいでしょう。
スタンド・筐体
付属スタンドはチルト(前後角度調整)のみ対応し、調整範囲は約-5°~+15°です。
高さ調整や回転(ピボット)機能はなく、位置固定後に使用する設計です。
必要に応じてモニターアーム(VESA75対応)を併用すれば細かな位置調整が可能です。
付属品にはHDMIケーブルも含まれているため、別途ケーブルを用意せずにSwitch 2 と接続できます。
モニター重量は約3.5kgと軽量なので、設置・移動は容易です。
内蔵スピーカー
RM-G245N にはスピーカーを内蔵しておらず、音声はHDMI経由でテレビまたは外部機器に出力するか、ヘッドホン端子(3.5mmステレオミニジャック)でヘッドセット/スピーカーに接続して再生する必要があります。
Switch 2 ドックはHDMIでマルチチャンネル音声出力対応(リニアPCM 5.1chまで)なので、モニターではヘッドホン端子を利用するか、別途HDMI接続機器を組み合わせなければなりません。
入力端子・配線
モニター背面にはHDMI入力×2、DisplayPort入力×1、ヘッドホン出力×1を装備します。
Switch 2 とはHDMIケーブルで接続すればよく、モニター側はHDMI 2系統あるのでゲーミングPCや他デバイスも接続しやすいです。
ケーブル配線は特に難しい点はなく、付属HDMIケーブルだけで容易に準備できます。
まとめ
総合すると、Switch 2 と RM-G245N の組み合わせはフルHD/高フレームレートでの快適なゲームプレイに適した構成です。
Switch 2 側は4K出力こそ活かせませんが、1080p/120Hz出力に対応しており、RM-G245N の180Hz高速駆動・1ms応答と組み合わせることで映像は非常に滑らか・クリアに表示できます。
HDR10は両者とも対応していますが、モニター輝度の限界から劇的なHDR効果は期待しづらい点に注意が必要です。
また、Switch 2 はテレビモードでVRR非対応であるため、RM-G245N のAdaptiveSync機能は活用できません。
HDMI接続についてはSwitch 2 もモニターもHDMI 2.0世代の帯域に適合しており、互換性問題はほぼありません。
モニターのスタンド機能はチルトのみなので高さ調整には工夫が要りますが、VESA対応や軽量・付属ケーブルの充実などユーザビリティ面でも概ね良好です。
以上より、Switch 2 の高フレームレート出力を重視するゲーマーにはRM-G245Nは相性が良いと言えます。
一方で、4K映像やVRRを求める用途では恩恵は限定的です。
総じて、Switch 2 の性能を活かしつつ快適に遊べるモニターとして、十分に実用的な組み合わせであると評価できます。