今回の記事では、山善のテレビ「QRTN-32W2K」とPS5 Proの相性について調査した結果をまとめています。
PS5 Pro用としてコスパの良いテレビを探している人の参考になると思います。
結論から言うと、コスパよく日常用のテレビとしておすすめできるが、PS5 Pro用としては全くおすすめできません。画質はフルハイビジョンにも届きませんし、音質が悪いと言うレビューも目立ちます。
PS5 Pro用のモニターを探している場合には、さらにハイエンドな機種が必要になります。
PS5におすすめのテレビは下記の記事で紹介しています。
山善 QRTN-32W2Kの性能
パネル解像度・リフレッシュレート
QRTN-32W2K は32インチのハイビジョン液晶(LED直下型バックライト、VAパネル)で、解像度は1366×768ピクセル(HD)です。
リフレッシュレートは60Hzです。
PS5 Pro の4K/120Hz 出力には全く対応しておらず、本機ではPS5側もフルHD以下(最大1080p相当)の画質までしか表示できません。
したがって、PS5 Proの高精細・高リフレッシュレート性能は活かせず、画質・滑らかさともに制限されます。
ゲームモード・低遅延機能
本機には「ゲームモード」が搭載されており、低遅延表示を謳っています。
スペック上の応答速度は約6.5ms(GTG)とされており、一般的なテレビとしては比較的速い部類です。
ただしHDMI端子は1.4規格かつ60Hzまでのため、実際の入力遅延や滑らかさはあくまでHD解像度/60Hz相当での話です。
PS5 Proの120Hz出力は使用できないため、ゲームモードによって遅延が抑えられたとしても、60Hz駆動止まりである点は留意が必要です。
HDMI端子規格
本機のHDMI端子は「HDMI Ver1.4a」×2系統です。
HDRやHDMI2.1の機能(4K/120Hz入力、VRR、ALLM 等)には対応していません。
HDMI1.4a の仕様上、最大でも1080p/60Hz相当までの入力に対応すると考えられます。
したがって、PS5 Proの4K120Hz映像は受けられず、画質・応答性能は大幅に制限されます。
PS5 Proを接続してもHD画質での表示となり、120HzやVRR機能は利用できません。
デザイン・設置性
本機は全体にスリムで軽量設計です。
スタンドなしの本体寸法は約幅71.6×奥行9.3×高さ42.4cm、重量約3.7kg、スタンド装着時でも約3.8kgと非常に軽量です。
厚み9cm強の薄型で持ち運び・設置は楽ですが、逆に軽いため転倒には注意が必要です。
スタンドは幅71.6×奥行19.9×高さ47.4cmとなっており、特異な形状であるとの声もあります。
デザイン面では「シンプルでスタイリッシュ」と評され、ベゼルも比較的細めでモダンな印象です。
また壁掛け用のVESA(100×100mm)にも対応しています。
いずれにせよ小型軽量な32型テレビとして扱いやすく、省スペースにも向いています。
映像品質・スピーカー性能
画質はHD解像度相当で、小型テレビとして必要十分な水準です。
コントラスト比3000:1と視野角178度のVAパネルを採用し、黒浮きが少なくメリハリのある映像表現が可能です。
しかし実際の視聴では「斜めから見ると白っぽく見える」「色の深みが薄い」などの口コミもあり、視野角や色再現には限界があります。
輝度は約200cd/m²程度と低めで、明るい部屋では若干見にくくなるかもしれません。
付属スピーカーは5W×2で出力10W相当ですが、音質には不満の声も多く「音楽再生には物足りない」「音声調整しても変わらない」との評価があります。
映画・TV視聴では低音や音圧感が不足しがちで、音質を重視するなら外部スピーカーやサウンドバーの併用がおすすめです。
実際の使用レビュー
ユーザー評価では、価格の安さや軽量さが高く評価されています。
「安い!軽い!…子供の一人暮らし用にちょうど良い」と、コストパフォーマンスを称賛する声が多いです。
設置・操作も簡単で、32インチテレビとして「必要十分」「軽量で一人で組み立てできた」といった感想が見られます。
一方、画質・音質面では「価格相応」という評価も目立ちます。
視野角や色の鮮明さにやや不満を示すユーザーがあるほか、繰り返し音質の低さが指摘されています。
PS5 Proや他のゲーム機との接続に関する具体的なレビューは少ないものの、総じて「テレビ放送や動画視聴がメインなら十分」という評価であり、ゲーミング用途は最低限のスペックであることが推察されます。
総合評価
QRTN-32W2K は圧倒的に低価格でコンパクトなテレビです。
そのため一般的なテレビ視聴や軽いゲーム用途には向いており、「軽くて扱いやすい」「普通に映ってコスパ良い」といった長所があります。
しかしPS5 Proのような最新ゲーム機のポテンシャル(4K解像度、120HzやHDR、低遅延)を活かすには大きく不足しています。
特に4K出力や高リフレッシュレートには対応せず、HDMIもVer1.4止まりのため、PS5 Proを接続してもPS5側は映像を下げる必要があります。
ゲームモードは搭載するものの、60Hzまでの映像しか表示できないため、PS5 Proの高速駆動を享受できません。
映画・TV用途に関しても、画質は「価格相応」で、動画やスポーツ観戦なら問題ないものの、シネマティックな4K高画質とは言えません。
音質も10Wスピーカー相当の水準で、迫力不足は否めないため、部屋にこだまするような大迫力を求める用途には不向きです。
軽量・薄型で狭い部屋向けのサブテレビとしては適していますが、PS5 Proの性能基準で「満足いくゲーム用テレビ」と評価するのは難しいでしょう。
結論
QRTN-32W2K は「価格優先でコンパクトなテレビが欲しい」というニーズには適していますが、PS5 Proの4K・120Hz・低遅延といった先進機能を活かすには不十分です。
もしPS5 Proで高精細・滑らかな映像を重視するなら、4K・60Hz以上対応の上位機種やHDMI 2.1対応モデルを選択すべきです。
ただし、予算重視で小型テレビとしてゲーム機やレコーダーの映像を普通に楽しみたい、という用途であれば、この機種でも「安くて使える」選択肢となり得ます。