Nintendo Switch 2(以下 Switch 2)はドック経由でTVモードにするとHDMI 出力に対応しており、最大 4K60fps、また1920×1080/2560×1440選択時は最大120fps(HDR10対応)で映像を出力できます。
一方、PHILIPS EVNIA 24M2N3200L/11モニターは HDMI2.0×1、DisplayPort1.4×1 の入力を備え、解像度はフルHD(1920×1080)に固定されています。
したがって、Switch 2側で出力を1080p120fps に設定すれば、モニターの180Hzの高リフレッシュレートを活かしてフレーム落ちのない滑らかな映像を表示できます。
HDMI 2.0でも1080p120fps(帯域約9.5Gbps)は伝送可能で、Switch 2 には標準で HDMI 2.1(Ultra High Speed)ケーブルが付属するため、別途ケーブルを買い足す必要はありません。
なお、Switch 2で4K60fps 出力を試みるとモニター側はフルHDまでしか表示できないため、出力は1080pか1440p(1440p120fpsがHDMI2.0の帯域で安定しない場合は1080p120fps推奨)に合わせる必要があります。
モニターはNVIDIA G-SYNC互換(FreeSync)認定なので、可変リフレッシュレートによるティアリング抑制も利用可能です。
ただし、VRRはSwitch 2の携帯モードでのみ有効だと明らかになりました。
HDMI ケーブル・入力規格
Switch 2 はUltra High Speed HDMI(HDMI2.1)のケーブル付属で4K/60fps・1440p/120fps出力対応。
EVNIAはHDMI2.0入力のため、1080p/120fps まで確実に対応。
映像解像度
Switch 2 側で1080p(フルHD)出力に設定すればピクセル一致表示が可能。
4K出力時はモニター側で受けられず非対応なので、出力解像度をフルHDに落とすか解像度変換可能なテレビやモニターが必要です。
可変リフレッシュレート
Switch 2 はVRR(可変リフレッシュレート)対応で、EVNIA もAdaptive Sync/G-SYNC互換なので、フレームレート変動時も滑らかな描画が可能です。
ただしSwitch2のVRRは携帯モードでのみ利用可能なので、モニター側の機能を活かすことはできません。
フルHD/高フレームレート出力(最大120fps)と180Hzリフレッシュレート
Switch 2 を TV モードでフルHD・120fps 出力に設定すれば、EVNIA の高リフレッシュレート(最大180Hz)を活かせます。
ただし Switch 2自体の上限は120fpsのため、実質的には120Hzまで描画されます。
それでも180Hzパネルの優位点は大きく、以下のようなメリットがあります。
滑らかな画面表示: 180Hz では1秒間に最大180回画面を更新するため、60Hzに比べて動きが滑らかです。
Switch 2 出力の120fpsでも画面更新を半分ほど(60fps相当)にせず表示できるので、画面残像やカクつきが抑えられます。
低フレームレートで起こりがちな「敵が瞬間的に飛び跳ねる」ような描画欠落がほぼ無くなり、視認性が飛躍的に向上します。
応答遅延の低減
高リフレッシュレート時は入力遅延(コマンド入力から画面反映までの時間)が実質的に短縮されます。
特にSwitch 2 や EVNIAのように低遅延設計の機器では、マウス/コントローラ操作→画面描画までのタイムラグが最小限に抑えられます。
互換性
EVNIA はフルHD固定ですが、品質モードで 120fps を出せるゲームでは、144Hz/165Hz や 180Hz 対応モニタに匹敵する高精細さと滑らかさが得られます。
フルHD@120fps ならケーブル帯域も余裕があり、安定した映像伝送が可能です。
比較表(解像度×リフレッシュレート)
以下の表のように、Switch 2 と EVNIA の組み合わせでは1080p@120Hz が最適です。
EVNIAは4K非対応のため、4K60fps は利用できませんが、解像度よりも映像のなめらかさを重視してゲームをしたいユーザーにとってこれは好都合と言えるでしょう。
また、1440p120fpsも非対応のため映像が縮小されてしまう可能性があります。
モード | 解像度 | 最大リフレッシュレート | メリット/制限 |
---|---|---|---|
携帯モード | 1080p | 最大120Hz | 本体の高精細液晶でネイティブ描画。1440p以上非対応。 |
ドック (TV) | 4K60 | 60Hz | EVNIA では表示不可(4K入力未対応)。 |
ドック (TV) | 1440p | 120Hz | モニター解像度超過で表示不可。 |
ドック (TV) | 1080p | 120Hz | EVNIA の 180Hz を活かせ、滑らかさ最大。 |

応答速度0.5msの恩恵とゲームジャンル別メリット
PHILIPS EVNIAの応答速度は0.5ms(MPRT)と非常に高速で、Fast IPSパネルとの組み合わせにより動きの速い映像でも残像がほとんど発生しません。
これによりゲームプレイ中の見た目が次のように向上します。
FPS/シューティング系: 180Hz+0.5msにより入力操作から表示までの遅延が極めて低減され、エイム時の追従性が非常に高まります。敵キャラの動きが滑らかに映るため、マウス(またはスティック)の動きに対する反応のブレが少なく、素早いターゲット追尾が容易になります。特に Counter-Strike 2やVALORANTのような競技性の高いFPSでは威力を発揮します。
格闘ゲーム: 高速キャラクターやコンボ技の動きでも描画がクリーンなため、コンボの入力タイミングや相手の位置ズレを正確に把握できます。小さなジャダーや残像が減ることで対戦相手のヒットストップやガードモーションがつかみやすくなり、反応速度も活かしやすくなります。
レースゲーム/アクション: 画面スクロール時の画質ブレが小さいため、ハイスピードなレース場面や激しいアクションでもコース状況や敵車の動きがクリアに認識できます。特にレースではコーナリング時の視線移動で情報の見落としが減り、追走やスピン防止に寄与します。
映像表現(暗所描写): Fast IPS と0.5msのおかげで暗めのシーンも視認性良好です。EVNIAには「Shadow Boost」機能もあり、暗部の視認性がさらに向上します。暗いマップでの敵発見や敵の輪郭把握に有効です。
以上のように、高リフレッシュレート×高速応答速度の組み合わせは、操作遅延を軽減すると共に、細かい動作をしっかり表示するため、特に反射神経が勝敗を分ける競技ゲームで優位になります。
HDR10対応の効果と対応タイトル例
EVNIA モニターは HDR10対応で、Switch 2 側もHDR10出力に対応します。
HDR10が有効なゲームを遊ぶと、明るい部分(ハイライト)はより明るく、暗い部分(シャドウ)はより暗く表現されるため、映像にコントラストと奥行き感が生まれます。
具体的には、太陽光や光源のギラツキ、影の陰影差などがリアルに映り込み、色鮮やかなグラフィックを楽しめます。
ただしEVNIAの最大輝度は約300cd/㎡と一般的なゲーミングモニター水準なので、極端なHDR体験というより「彩度とコントラストの向上」として効果を感じられる程度だということを認識しておきましょう。
Switch 2 のローンチおよび近未来のゲームでは、HDR10 が活用されるタイトルが発表されています。
例えば任天堂は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド/ティアーズ オブ ザ キングダム Nintendo Switch 2 Edition』をリリース予定で、これらは解像度・フレームレートの向上に加えHDR対応が明言されています。
さらに『Metroid Prime 4 Beyond Nintendo Switch 2 Edition』では、画質優先モード(4K60fps HDR)とパフォーマンス優先モード(1080p120fps HDR)の両方が選択可能であることがアナウンスされています。
こういったタイトルでは EVNIAのHDR10表示によって、奥行き感のある美麗な映像が味わえます。
その他、大作として発表されている『マリオカート ワールド』や『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』なども今後HDR10出力が期待されるタイトルです(Nintendo Direct 情報より)。
スピーカーの有無と音声出力の工夫
PHILIPS EVNIA 24M2N3200L/11 はヘッドホン出力のみ備え、内蔵スピーカーは非搭載です。
したがって、TVモードでモニターに映像を映す場合は以下の方法で音声を確保する必要があります。
外部スピーカー/ヘッドホン接続: モニター背面のヘッドホン端子に有線ヘッドホンや外部スピーカーを接続できます。ヘッドホン端子からはSwitch 2 からのHDMI音声信号(5.1ch PCMまで対応)がステレオ出力されます。音質を求めるならワイヤレスイヤホンよりも高性能スピーカーを接続すると良いでしょう。
Bluetooth 音声機器: Switch 2 本体はBluetoothオーディオ(ヘッドホン等)にも対応しています。TVモードでもSwitch 2 側のBluetooth機能は生きており、ワイヤレスヘッドホンやスピーカーに直接接続できます。ただし、Bluetooth接続ではわずかに遅延が生じる場合があります。
テレビ/AV機器利用: もしEVNIAではなくHDMIスプリッターやAVレシーバーを介せば、サウンドバーやホームシアターセットに音声を出力することも可能です。Switch 2 は最大5.1ch PCM 出力に対応するので、外部サラウンドシステムを導入すれば没入感の高い音場が得られます。
携帯モードのスピーカー: 逆に携帯モード時は Switch 2 内蔵ステレオスピーカーで音が出るため(独立エンクロージャー構造でクリアな音質と謳われています)、特に用意なく音を聴ける利便性があります。TVモード時は本体スピーカーは使えないので、上記いずれかの方法で音を外部化する必要があります。
メリット・デメリットまとめ
メリット
高リフレッシュ&高速応答: Switch 2 の1080p/120fps出力とEVNIAの180Hz・0.5ms による組み合わせで、非常に滑らかで遅延の少ないゲーミング体験が得られます。競技ゲームでは敵や的の動きが途切れず、エイム・入力追従性が向上します。
優れた画質: Fast IPSパネル採用で広い視野角と高い色再現性(sRGB126% DCI-P3 93%)を持ち、HDR10対応によるコントラストの広がりも享受できます。IPS独特の鮮やかな色味でゲーム映像が体験できます。
VRR/G-SYNC対応: フレームレート変動時のティアリングやチラつきが抑えられ、可変リフレッシュで常に安定した映像品質を保ちます。
大画面での迫力: 23.8インチの大画面により、携帯モードよりもダイナミックな映像を楽しめます。複数人プレイ時の視認性も良好です。
長期保証: メーカー保証が5年付与(※製品画像にも「5年保証」と記載)されており、耐久性・サポート面でも安心です。
デメリット
スピーカー非搭載: モニター単体では音が出ないため、外部音響機器が必須となります。持ち運び型モニターと比べて音声の用意が一手間かかります。
解像度制限: EVNIAはフルHD 固定なので、Switch 2の4K出力は活かせません。また、1440p 出力もモニターがネイティブ対応しないため、映像品質は1080pに合わせる必要があります。
HDR効果: 最大輝度約300cd/㎡のため、HDR10対応ではあるものの、HDRコンテンツの劇的な明るさ表現は期待薄です。高輝度を活かした映像を望むなら、より高い輝度の別モニターか対応TVの検討が必要です。
携帯性欠如: 設置型モニターなので、携帯モードのように屋外や寝転がりプレイはできません。あくまで据置・卓上での使用に限られます。