Nintendo Switch 2のテレビモード映像出力互換性について
Nintendo Switch 2は新たに4K解像度出力とHDR10に対応しており、ドック接続のテレビモードで最大4K/60fpsの映像を出力できます。
また一部の対応ゲームでは1080p解像度で120fpsにも対応しました(※4K出力時は60fps上限)。
ただし、Switch 2のドックはHDMI 2.1に準拠した高度な機能(例:4K/120HzやVRR)には非対応で、実質的な帯域はHDMI2.0相当となっています。
これはSwitch 2の性能上、4K/120fpsでの描画が困難であることや、競合機ほどの高スペックを目指していないためです。
実際、可変リフレッシュレート(VRR)はSwitch 2では携帯モード時の内部ディスプレイでのみサポートされ、ドック出力では利用できません。
一方、Cocopar HG-4K27モニター側もスペック上は「HDMI2.1ポート×2」を備えますが、注意すべき点として4K@60Hzまでの対応(実質HDMI2.0相当)に留まります。
製品表記に「HDMI2.1」とあるため誤解を招きますが、120Hz以上の高リフレッシュレート入力には対応していません。
しかし60Hzまでの4K信号であれば問題なく受信できるため、Switch 2の4K/60fps出力との相性は良好です。
Switch 2をドック経由で接続すればモニターの4K解像度をフルに活かせ、精細な映像を表示できます。
HDRについても、Switch 2はHDR10出力対応、モニターもHDR表示に対応しており(DisplayHDR 400クラス、最大輝度400ニット)、HDRゲーム映像を映し出すことが可能です。
もっともHDR効果については、モニターの輝度やコントラスト比(1200:1)からして高級テレビほど強烈ではなく、ユーザー口コミでも「HDRをオンにすると暗部が見えにくい」との指摘があり、エントリー級なりの性能といえます。
総合すると、Switch 2の映像出力仕様とHG-4K27モニターのスペックは概ね合致しており、4K解像度・HDR表示といった点で互換性は良いと言えます。

Nintendo Switch 2をドックに接続しテレビモードでプレイするイメージ。
Switch 2ではドック経由で最大4K/60Hz(HDR対応)出力が可能で、HG-4K27モニターでもその解像度・HDR映像を表示できる。
加えて、Switch 2ドックには映像アップスケーリング機能も搭載されており、ゲームが必ずしもネイティブ4K対応でなくとも4K相当に拡大出力してくれます。
例えば旧世代Switch用の1080pタイトルでも、Switch 2のドックを通せばモニター上で4Kにアップコンバートされるため、HG-4K27の高解像度パネルを活かしてより緻密な映像で楽しむことができます。
一方で、前述のようにVRR(可変リフレッシュレート)はテレビモードでは機能しないため、ゲームのフレームレートズレをカバーする機能は使えません。
もっともSwitch 2は性能上60fps程度で動作するタイトルが多いと予想され、大きな支障にはならないでしょう。
まとめると、Nintendo Switch 2をHG-4K27モニターでテレビモード運用する際、4K解像度・HDR映像ともに正常に表示可能です。
HDMI2.1の高度な機能(4K/120HzやVRR)は双方で非対応ですが、60Hz環境下であれば互換性の問題はなく、Switch 2の強化された映像出力を十分に活かせる組み合わせと言えます。
モニター内蔵スピーカーおよびイヤホン端子による音声出力の利便性
Cocopar HG-4K27は2W×2のステレオスピーカーを内蔵し、さらに本体に3.5mmイヤホンジャックも備えています。
Nintendo Switch 2をドック接続した場合、音声はHDMI経由でモニターに出力されるため、追加の音響機器がなくてもモニターからサウンドを再生可能です。
内蔵スピーカーはテレビほどの高出力ではありませんが、手軽にゲーム音を聞く分には便利です。
実際のユーザーレビューでも「スピーカー内蔵で映像とともに音が出るのは便利」と評価される一方、その音質については「安っぽい」という声も見られ、臨場感や低音の重厚感には限界があります。
従って、音質を重視する場面ではモニターのイヤホン端子から手持ちのヘッドホンや外部スピーカーに接続するのがおすすめです。
イヤホン端子経由なら、Switch本体を携帯モードで遊ぶときと同様に、お気に入りのヘッドセットでプレイできますし、深夜など外部に音を出せない場合にも対応できます。
音声出力の利便性という観点では、本モニターにSwitch 2を繋ぐことで“疑似テレビ”のように映像+音声を一括出力できる点がメリットです。
Nintendo Switch(初代)ではドックにイヤホン端子が無かったため、モニター側に端子があると重宝しましたが、Switch 2でも同様にモニターのオーディオ端子が活躍します。
例えば、HG-4K27にPS5やPCも同時接続している場合でも、音声出力先をモニターに統一できるため、接続機器ごとにスピーカーを用意せずともモニター側で一元管理できます。
リモコン等は付属しませんが、モニターのOSDメニューで音量調節も可能です。
総じて、HG-4K27のスピーカー/イヤホン端子は簡易的な音出し手段として利便性は高く、Switch 2の音声も問題なく出力可能です。
携帯モードとの使い分けを想定した実用性(ドック運用との相性)
Nintendo Switch 2は従来同様、据置き(ドック接続)と携帯モードをシームレスに使い分けられるハイブリッド機です。
HG-4K27モニターを活用する「テレビモード中心」の運用では、大画面・高解像度でゲームを楽しめる反面、携帯モード時との体験差も把握しておく必要があります。
まず解像度・画質面では、ドック接続時は最大4Kまで映像が向上するのに対し、携帯モード時のSwitch 2内蔵ディスプレイは7.9インチ/1080p解像度が上限です。
したがって、HG-4K27に映すテレビモードでは携帯画面より遥かに緻密な映像美を堪能できます。
またHDR対応も共通しているため、携帯画面でHDR表示されるタイトルであればモニターでもHDR効果を楽しめます(前述の通りモニターのHDR輝度は控えめですが)。
色再現もモニター側はDCI-P3 95%と広色域なので、携帯機のLCDと比べ発色が豊かに映る可能性があります。
一方、フレームレートや応答性では少し状況が異なります。
Switch 2本体の画面は120Hz駆動・VRR対応となり、携帯モード時には対応ゲームで非常に滑らかな描画やティアリング防止が期待できます。
しかしドック経由でHG-4K27に出力する際は最大60Hz固定となり、携帯時ほどの高フレームレート恩恵は受けられません。
例えば携帯モードで120fps動作するゲームも、テレビモードでは60fpsに制限されるため、動きの滑らかさという点では携帯時の方が上回るケースもあります。
ただし4K解像度の美麗さや24インチ以上の大画面で遊べる没入感はモニター使用時が勝ります。
VRR機能も先述の通りドック出力では無効となるため、携帯時に比べ映像のティアリング(ズレ)が発生しうる点には留意が必要です。
運用面の利便性については、HG-4K27は入力切替が容易な複数入力対応(HDMI×2・DP×2)なので、Switch 2ドックを常時接続しておき、必要に応じてドックに本体を挿し込むだけで即座に画面に映せます。
ドックへの着脱も従来機同様ワンタッチで、携帯⇔据置の移行は数秒で完了します。
携帯モードで遊んでいた続きをすぐモニターに映してプレイするといった使い分けもスムーズに行えるでしょう。
なおSwitch 2の新ドックは旧Switchよりサイズが大きくなっていますが、設置スペースさえ確保できればHG-4K27の台座付近に問題なく収まるはずです(ドック寸法は初代とほぼ同等との情報もあります)。
以上より、携帯モードとテレビモードを切り替える運用においても、HG-4K27モニターは快適に機能します。
携帯モードでは機動力と高FPSを活かし、腰を据えてじっくり遊ぶ際にはモニター出力で映像美と大画面を満喫する、といった形でSwitch 2の性能をフル活用できるでしょう。
ドック運用との相性も良好で、特段の不具合報告も見当たりません。
PS5やPCとのモニター共有時のポート構成・性能的な相性
HG-4K27モニターはHDMI 2系統+DisplayPort 1.4を2系統備えており、合計4つの入力ポートで複数機器を同時接続できます。
Nintendo Switch 2のドックをHDMI入力1、PlayStation 5をHDMI入力2、PCをDP入力に繋ぐ…といった使い方が可能で、入力切替だけで機器ごとの画面表示を行えるため非常に便利です。
実際「Switch/PS4/PS5やSteam Deck、DVDプレーヤーまで接続できる豊富な端子」として本製品は売り文句に挙げられています。
ここでは特にPS5とPCで本モニターを共有利用する場合の、性能面での相性について整理します。
解像度・リフレッシュレート
PlayStation 5は最大4K/120Hz出力に対応しますが、HG-4K27は前述のように60Hzまでの表示となります。
そのため4K解像度でのプレイは可能(60fps)ですが、PS5の120fpsモードがあるタイトルでもこのモニターでは60fpsに制限されます。
またPS5の1440p出力にも対応は可能ですが、リフレッシュレート自体が60Hz上限のため、120Hz動作させることはできません。
PCの場合も同様で、グラフィックボードが高fpsを描画できてもモニター側で60fpsに固定されます。
しかし4Kの作業領域や映像美を重視する用途では問題にならず、4K/60Hz環境としてはPS5・PCともに安定して動作します。
HDR表示
HG-4K27はHDR10信号の入力表示に対応しており、PS5のHDRゲームやPCのHDRコンテンツを映し出すことができます。
PS5は一部Dolby Visionにも対応しますが、本モニターは標準的なHDR10のみのサポートです。
しかし95% DCI-P3の広色域と400nitの輝度により、基本的なHDR効果は再現可能です。
実際にPS5を接続した場合もシステム側で「HDR有効」と認識され、輝度マッピングが行われます。
ただしDisplayHDR400相当のため、真の黒表現やピーク輝度はテレビのHDRに比べ見劣りします。
PCではWindows設定でHDRを有効にすれば動画鑑賞や対応ゲームでHDR表示が可能です。
総じてHDRに関しては、PS5・PCとも本モニターで問題なく表示は可能ですが、品質は中級レベルである点を認識しておきましょう。
色域(sRGB/DCI-P3)
HG-4K27の色域は公称120% sRGB / 95% DCI-P3と広く、PS5やPCで再生する映像・ゲームが広色域対応であれば鮮やかな発色で楽しめます。
具体的には、PS5のHDRゲームは映像信号的にBT.2020色空間で出力され(実質的な色域はP3程度)、本モニターでもほぼ忠実に色を表示できます。
一方、従来のSDRコンテンツ(sRGB相当)についてはモニター側がデフォルトで広色域表示するため、発色がやや過剰(鮮やかすぎ)になる可能性があります。
PC利用時、写真編集など色忠実性が求められる用途ではモニターの「sRGBモード」(搭載していれば)に切り替えるか、ソフトウェアキャリブレーションで色域を補正するとよいでしょう。
一般的なゲームや映像鑑賞用途では、広色域ならではの鮮やかさをプラスに捉えられる場面も多く、PS5・PCともに発色面の相性は良好です。
VRR(Variable Refresh Rate)/ FreeSync
本モニターはAMD FreeSync対応(Adaptive-Sync技術)を謳っており、DisplayPortまたはHDMI接続時に対応GPUとの間でVRR動作が可能です。
PCではAMD製GPUやNVIDIAのG-SYNC Compatible対応GPUで、カタログスペック範囲のおそらく48~60Hz程度でVRRが機能すると見られます。
4K解像度は負荷が高いため、PCゲームで60fpsを下回る場面もありますが、FreeSyncによりティアリングやカクつきを軽減できる点は利点です。
PS5の場合、公式にはHDMI2.1のVRR(48~120Hz)がサポートされていますが、本モニターはHDMI2.0ベース&60Hz上限のためPS5側でVRR有効化はできません。
実際、HDMI接続の60Hz FreeSync対応モニターはPS5では非対応扱いとなるケースが報告されています。
従ってPS5+本モニターではVRRなしでのプレイとなります。
ただし60fps程度で安定するゲームが多ければ、大きな問題にはなりにくいでしょう(ごく稀に発生するフレーム低下時はティアリングが出る可能性があります)。
Xbox Seriesシリーズも同様に、本モニターではVRR不可と思われますので留意してください。
入力遅延と応答速度
HG-4K27の応答速度1ms(おそらくMPRT)や入力遅延に関する具体値は不明ですが、60Hz動作かつFreeSync対応という性質上、極端に遅延が大きいことはないでしょう。
PS5やSwitchの一般的なテレビモード遅延(数十ミリ秒程度)と比べれば、PCモニターである本機の遅延は比較的少なめで操作レスポンスは良好と考えられます。
格闘ゲーム等のプロレベルでない限り、大抵のゲームで問題無い反応速度が得られるでしょう。
応答速度1msについては、中間色応答など実測ではもう少し大きいかもしれませんが、残像感の少ないIPSパネルである点はメリットです。
モニター・Nintendo Switch 2・PS5
以上を踏まえ、PS5・PCと本モニターを共有する場合の主な仕様対応状況を以下の表にまとめます。
項目 | Nintendo Switch 2(TVモード) | PlayStation 5 | PC(一般的な4K環境) |
---|---|---|---|
映像出力 | 最大4K@60fps(1080p@120fpsモード対応) | 最大4K@120fps ※本モニターは60Hzまで対応 | GPU性能に依存(4K@60Hzまで表示可能) |
HDR出力 | HDR10対応 | HDR10対応(Dolby Vision対応※モニター非対応) | HDR10出力対応(要OS設定、有効化でHDR表示可能) |
VRR(可変リフレッシュ) | ドック出力では非対応 | HDMI 2.1 VRR対応 ※本モニターでは利用不可 | FreeSync (Adaptive-Sync)対応 ※本モニターで有効活用可 |
色域表示 | SDR:sRGB相当、HDR:BT.2020(P3想定) | SDR:sRGB、HDR:BT.2020(P3) | コンテンツ依存(広色域コンテンツはDCI-P3で表示可) |
音声出力 | HDMI音声をモニター経由で出力(スピーカー/イヤホン使用可) | 同上(外部AV機器への音声出力も可能) | 同上(モニター経由またはPC別出力も選択可) |
接続インターフェース | HDMI端子(ドック)より出力 ※HDMI2.0相当帯域 | HDMI 2.1端子より出力 ※本モニター側はHDMI2.0(TMDS) | GPU側にHDMI/DPポート ※本モニターはHDMI×2・DP×2搭載 |
上記のように、PS5やPCで本モニターを使用する場合も基本的な互換性・性能面は問題なく, 4K解像度やHDR表示を活かせます。
ただし、PS5の120HzモードやVRR機能などハイエンド機能はモニター側の制限で活用できません。
また、高リフレッシュレートが必要なPCゲーム用途には不向きですが、映像美や作業用途重視の4Kモニターとしては十分に性能を発揮します。
HG-4K27は低価格帯ながら高さ調整やピボット回転可能なスタンドも備えており、多用途に使いやすい点も共有利用における利点です。
最後に、ポート構成の物理面ではHG-4K27は背面にHDMIとDP端子がまとまって配置されており、ケーブルの抜き差しも比較的容易です。
複数機器を接続して入力切替で運用する際は、ケーブルを都度差し替える必要が無いためデスク周りがすっきりします。
PS5とPCを同時につないでいてもボタン操作で映像源を切替可能なので、Switch 2を含めた3台以上のデバイスを一つのモニターで共有する用途において、このモニターの拡張性・利便性は高く評価できます。