今回の記事では、Nintendo Switch 2用にゲーミングモニターを探している方に向けて、AOCのゲーミングモニターの相性を検証する内容となります。
AOCのゲーミングモニターはとにかく安いというコスパの良さが売りであり、なるべくモニターに高い予算をかけたくないというライトゲーマーにおすすめできるモニターです。
このモニターとNintendo Switch 2の性能を比較して、自分に最適かどうか判断する材料になるような構成になっています。
Switch 2の映像出力仕様
Nintendo Switch 2はドック経由でHDMI接続に対応し、テレビモードでは最大3840×2160ピクセル(4K)60Hzの出力が可能です。
また、1920×1080(フルHD)や2560×1440(WQHD)出力時には最大120fpsまで対応する仕様になっています。
これまで中途半端な画質とされてきたWQHDに対応するということもあり、モニターの選択肢の幅が広がるので余計に迷ってしまうかもしれません。
本体内蔵ディスプレイ(携帯/テーブルモード)は7.9インチ・1920×1080で、HDR10対応・可変リフレッシュレート(VRR)120Hz対応とされています。
なお、公式仕様ではVRR対応と一時記載されましたが、任天堂の公式声明により「ドック接続時(テレビ出力時)にはVRR非対応」であることが明言されています。
HDMI互換性
Switch 2でテレビモードでゲームをプレイする際にはHDMIの規格も要チェックです。
AOC 24G42E/11モニターはHDMI 2.0端子を1基、DisplayPort 1.4を1基搭載しています。
Switch 2のHDMI出力は4K60HzやフルHD120Hzをサポートするため、モニター側のHDMI 2.0は十分対応可能です。
音声についてもSwitch 2はHDMI経由でリニアPCM 5.1ch出力に対応しますが、このモニターには内蔵スピーカーが無く(ヘッドフォン端子は備わっています)、音声出力はヘッドホンや外部スピーカーで行う必要があります。
HDMIケーブルは付属1.8mケーブル(2.0規格)で接続されており、音声・映像ともに問題なく伝送できます。
出力性能とモニター性能の整合性
Switch 2の映像性能とモニター性能は全体的に良く合致しているため、問題なく使用できます。
Switch 2の最大出力(1080p@120Hz)はこのモニターの最大対応範囲(1080p@180Hz)以内です。
余裕のあるリフレッシュレートを備えているため、フルHDでぬるぬるとした映像でゲームをプレイできます。
これはゲーム映像のなめらかさを求めるユーザーにとって評価できる項目です。
ただし、モニターはフルHD固定なので、Switch 2を4K出力に設定すると自動的にダウンスケールされ、実質的に1080pとして表示されます。
モニター解像度と一致させるため、Switch 2の出力設定は「1920×1080@120Hz(パフォーマンス優先)」にするのが最適です。
なお、Switch 2は2560×1440(WQHD)出力も可能ですが、このモニターでは非対応(1080p表示)となるため、1080pで運用するのが望ましいでしょう。
HDR10対応の有効性
Switch 2は公式仕様でHDR10対応が明記されており、AOC 24G42E/11モニターもHDR10表示に対応しています。
したがって、HDR10対応ゲームをプレイする際はHDRモードを有効にできます。
ただし、このモニターの最大輝度は約300cd/m²と一般的なHDRテレビより低いため、本格的なHDRディスプレイほどの明暗差や高輝度表現は期待できません。
それでも色域は広く(sRGB128%、DCI-P397%をカバー)、通常のSDR表示と比べて色鮮やかさやコントラストの向上が見込めます。
HDRを有効にする際は、Switch 2側のHDR出力設定とモニターのHDRモードが連動することを確認してください。
Adaptive Sync(VRR)の効果
モニターはAdaptive Sync(FreeSync相当)対応であり、ティアリングやスタッタリングを抑えて滑らかな映像表示が可能です。
しかし、Switch 2本体の現行仕様ではドック接続時にVRR信号を出力しないため、残念ながらこの機能はSwitch 2では利用できません。
将来的にファームウェア更新でVRR対応が追加される可能性はありますが、現時点ではAdaptive Syncは機能せず、同期解除(VSync)やフレーム制限なしでプレイすることになります。
ゲーム体験としての評価
AOC 24G42E/11はゲーミング向け設計で、応答速度0.5ms(MPRT)/1ms(GtG)と高速な残像軽減機能を搭載しています。
IPSパネル採用で視野角が広く、色再現も優れています(sRGB約129%、DCI-P3約97%カバー)。
高リフレッシュレート(最大180Hz)対応のため、Switch 2の1080p120fps出力でも余裕を持って表示でき、入力遅延も一般的なゲーミングモニター並みに低いです。
激しいアクションでもモーションブラーが少なく、視認性・操作感とも良好です。
フリッカーフリーやブルーライト低減機能も備えており、長時間プレイでも目への負担を軽減できます。
推奨設定・注意点
映像設定:Switch 2のテレビ出力解像度は1920×1080pに設定し、可能ならリフレッシュレートを120Hzにします。これによりモニターのネイティブ解像度・高リフレッシュレートを最大限活かせます。
HDR設定:HDR10対応ゲームではSwitch側とモニター側のHDRモードをオンにして動作を確認します。明暗差が大きいシーンでは輝度不足を感じる場合があるため、必要に応じてモニターの明るさを調整してください。
Adaptive Sync:Switch 2は現状でVRR非対応のため、モニターのAdaptive Sync機能は使用できません。ティアリングが気になる場合はゲーム側でVSyncをオンにするか、フレームレートを固定にしてプレイしてください。
音声出力:モニター内蔵スピーカーが無いため、音声はSwitch 2のヘッドフォン端子(モニターにも入力端子あり)や、HDMI出力から別途接続する外部スピーカーで再生します。
その他:モニターの設置角度は-5~+23度のチルト調整が可能です。FPSゲームなどで残像感が気になる場合は「MBR Sync」や「MPRT」機能をオンにしてもよいでしょう(使用時は画面が暗くなる場合があります)。
以上より、Nintendo Switch 2とAOC 24G42E/11は総じて相性が良く、大きな問題はありません。
適切に1080p/120Hz出力とHDR設定を行えば、応答性・画質ともに優れたゲーム体験が得られます。
VRR非対応以外は高性能モニターの特長を活かせる組み合わせといえます。
何よりも2万円以下でフルHD120fps映像を描画できるというコストパフォーマンスの良さが、このモニターの特筆すべき点だと言えます。