ハイセンス 65E60Nは、HDMI 2.1対応、低遅延ゲームモード、HDR10/HLGサポートを特徴とする2024年モデルの65V型4Kスマート液晶テレビです。
一方、2025年6月5日に発売されるNintendo Switch 2は、DLSSによる4K出力、最大120fpsのフレームレート、HDRサポートなど、前世代機から大幅な性能向上を遂げた任天堂の最新ゲーム機です。
このハイセンス製テレビとNintendo Switch 2の組み合わせは、特にドック接続時のTVモードにおいて優れた相性を示します。
テレビはSwitch 2の最大出力である4K解像度60フレーム/秒(fps)に完全に対応し、HDR機能も活用できます。
テレビの専用低遅延ゲームモードとSwitch 2のALLM(自動低遅延モード)の組み合わせにより、非常に応答性の高いゲーム体験が実現します。
全体として、ハイセンス 65E60NはNintendo Switch 2にとって堅牢で没入感のあるテレビです。
ただし、テレビのリフレッシュレートが60Hzであるため、Switch 2が提供する120fps出力(主に1080p/1440p解像度向け)を最大限に活用することはできません。
また、Switch 2のVRR(可変リフレッシュレート)機能が携帯モードに限定されているため、ドック接続時にはテレビのVRR機能が利用できない点には留意が必要です。
ハイセンス65E60N(2024年モデル)の概要
ハイセンス 65E60Nは、ハイセンスが2024年にリリースした大型65V型4K液晶スマートテレビです。
このモデルは、家庭の中心となるエンターテインメントハブとして設計されており、豊富な機能を備えています。
主要な特徴として、2つのチューナーを内蔵し、多様なストリーミングサービスに対応するスマートテレビ機能、そしてゲーミングに特化した接続性や性能が挙げられます。
本機は、最新の接続性と機能を備えた大型4Kディスプレイを求める消費者にとって、コストパフォーマンスの高い選択肢として位置づけられています
Nintendo Switch 2の紹介とテレビ出力能力の向上
Nintendo Switch 2は、2025年6月5日に発売される任天堂のハイブリッド型ゲーム機の最新世代です。
このモデルは、カスタムのNVIDIA製プロセッサを搭載し、DLSS(ディープラーニングスーパーサンプリング)やハードウェアレイトレーシングといった先進的なグラフィック機能をサポートすることで、前世代機から大幅な性能向上を実現しています。
初代Switchの携帯性、テーブルモード、テレビモードという汎用性を維持しつつも、ドック接続時には最大4K解像度での出力が可能となり、テレビでのゲーム体験が大きく向上しています。
テレビとゲーム機のシームレスな統合の重要性
没入感のあるゲーミング体験を実現するためには、テレビとゲーム機間の相乗効果が極めて重要です。
これは単にゲームが画面に表示されるか否かだけでなく、その見た目、操作感、そしてサウンドに大きく影響します。
解像度、リフレッシュレート、入力遅延、そしてHDRやVRRといった先進的な映像技術への対応は、最適な互換性を評価する上で不可欠な要素です。
本記事は、ハイセンス 65E60NとNintendo Switch 2がいかに互いに補完し合うかについて、詳細に分析していきます。
4K解像度、120Hzリフレッシュレート、HDR、VRR、HDMI 2.1といった先進的な機能を持つ「Nintendo Switch 2」の詳細な仕様に焦点を当てています。
ハイセンス 65E60N(2024年モデル)のゲーミング性能詳細
ディスプレイ技術と映像の忠実性
ハイセンス 65E60Nは、65V型の4K(3840x2160ピクセル)液晶パネルを搭載しています。
この高解像度は、シャープで詳細な映像表現を可能にします。
本機はHDR10およびHLG(Hybrid Log-Gamma)のハイダイナミックレンジフォーマットに対応しており、これにより拡張されたコントラスト、輝度、そしてより広い色域を持つコンテンツを表示できます。
これは、特にHDR対応ゲームにおいて、よりリアルで鮮やかな映像を実現するために重要です。
本パネルは「広色域」と「Precision Color」を謳っており、これにより幅広い色のスペクトルを再現し、より豊かで正確な色彩表現に貢献します。
また、「AIネット映像高画質処理」機能も備えており、インターネット配信の映像やVODコンテンツを分析し、最適な映像処理を行うことで画質を向上させます。
パネル方式はIPS/RGBであり、上下左右178度の広視野角を提供するため、様々な視聴位置からでも一貫した画質を享受できます。
標準輝度は300ニト、コントラスト比は4000:1です。
性能と応答性
本テレビのネイティブなリフレッシュレートは60Hzです。
これは、多くのコンソールゲーム、特に4K解像度でのゲームにおいて最も一般的なリフレッシュレートです。
ゲーマーにとって特に重要な機能は「低遅延ゲームモード」です。
ハイセンスは、このモードにおける最小遅延を約0.83ms(パネルによる遅延を除く)と公表しており、これはFPSや格闘ゲームのような高速なゲームに最適です。
このモードはALLM(自動低遅延モード)にも対応しており、互換性のあるゲーム機が検出されると、テレビが自動的に低遅延モードに切り替わることで、入力から画面表示までの遅延を最小限に抑えます。
この約0.83msという数値は、一般的なコンシューマーテレビとしては非常に低い入力遅延であり、ハイエンドのゲーミングモニターでしか見られないレベルです。
これは、ハイセンスがゲーミングの応答性を重視していることを明確に示しており、競技性の高いゲームにおいても優れた体験を提供します。
このレベルの応答性は、ゲーミングセグメントにおけるテレビの重要な強みとなります
さらに、本テレビには「フレームジャダー軽減」機能が搭載されており、「SMR(Smooth Motion Rate)120」に対応しています。
これらは、画面の動きやフレームの揺れが激しい際に被写体を自動的に検知し、揺れを低減させることで、よりスムーズで安定した動画表示を実現します。
ただし、これは真の120Hzリフレッシュレートではなく、動き補償技術によるものです。
接続性
65E60Nは、2つのHDMI 2.1対応ポートを搭載しています。
HDMI 2.1は、従来のHDMIバージョンと比較して高い帯域幅を提供し、ALLMなどの先進機能に対応するため、最新のゲーム機やPCを接続する上で大きな利点となります。合計で4つのHDMI入力端子を備えています。
HDMI 3はeARC(Enhanced Audio Return Channel)に対応しており、これにより高品質なオーディオ信号をサウンドシステムへパススルーできます。
ワイヤレス接続には、Wi-Fi(IEEE 802.11ac/a/b/g/n、2.4/5.0 GHz帯)とBluetooth 5.3が内蔵されています。
その他、2つのUSB 2.0ポート、イーサネットポート、光デジタル音声出力端子、ヘッドホン出力端子を備えています。
オーディオ体験
本テレビは、Eilex PRISM、eilex FOCUS、VIRフィルター、Dolby Audioといった高音質技術を搭載しています。
これらの技術は、大音量を抑制しつつ聞き取りにくいささやきや呟きを増幅して安定した音量で再生し、映画やドラマ視聴時には人の声を優先させ、デジタル圧縮で失われがちな細かな音を修復することで、全体的な音質を改善し、クリアで安定したサウンドを提供することを目指しています。
2.0chステレオスピーカーを搭載し、合計音声出力は24W(一部では15W+15Wと記載)です。また、Dolby AtmosとDTS Virtual Xをサポートしており、仮想サラウンドサウンド体験を提供します。
Nintendo Switch 2のテレビ出力機能
解像度とフレームレート出力
携帯モード
Nintendo Switch 2は、7.9インチの液晶画面を搭載し、1080p(1920x1080)の解像度に対応しています。
この内蔵ディスプレイは、最大120HzのリフレッシュレートとVRR(可変リフレッシュレート)、そしてHDR10をサポートします。
TVモード
ドックを介して互換性のあるテレビに接続した場合、Switch 2は以下の解像度とフレームレートで出力できます。
- 最大4K(3840x2160)解像度で60フレーム/秒(fps)。
- 1080pまたは1440p解像度で最大120fps。
- 重要な点として、4K出力時のフレームレートは、テレビがより高いフレームレートに対応していても60fpsに制限されます。
HDMI規格
Nintendo Switch 2のドックからのHDMI出力は、HDMI 2.1規格を使用しています。
任天堂は、初代Switchに付属していたHDMI 1.4ケーブルを使用すると、出力が4K@30Hzに制限されるため、Switch 2に付属のHDMI 2.1ケーブルを使用することを推奨しています。
これにより、最適な性能(4K@60Hz)が保証されます。
Switch 2はALLM(自動低遅延モード)に対応しており、これにより互換性のあるテレビがゲームを検出すると自動的に低遅延ゲームモードに切り替わります。
HDRとVRRの実装
HDR
Nintendo Switch 2はHDR10をサポートしています。
これは携帯モードとドック接続時の両方に適用され、ゲームはより広い色域と高いコントラストで表示されます。
既存の初代Switchのゲームも、Switch 2でHDRを有効にするための無料アップデートが提供される予定です。
VRR(可変リフレッシュレート)
Switch 2の内蔵液晶画面は最大120HzのVRRをサポートしていますが、任天堂はVRRが携帯モードのみでサポートされ、HDMI経由でのテレビ出力には対応していないことを明確にしています。
性能向上
Nintendo Switch 2は、NVIDIA製のカスタムプロセッサを搭載しており、RTコア(レイトレーシング用)とTensorコア(DLSS用)を備えたAmpereベースのGPUを特徴としています。
DLSS(ディープラーニングスーパーサンプリング): このAI駆動のアップスケーリング技術により、ゲーム機は低解像度でレンダリングされた画像をインテリジェントに高解像度(例:4K)にアップスケールし、視覚的な品質の損失を最小限に抑えつつ、性能を大幅に向上させます。
ハードウェアレイトレーシング: RTコアの搭載により、対応ゲームではよりリアルな光の表現、反射、影が可能になります。
ストレージ: 本体には256GBのUFS 3.1ストレージが内蔵されており、初代Switchのフラッシュメモリよりも大幅に高速です。ストレージは新しいmicroSD Expressカード(最大2TB)で拡張可能ですが、従来のmicroSDカードは互換性がありません。
ハイセンス 65E60NとNintendo Switch 2の相性
ハイセンス 65E60NとNintendo Switch 2の組み合わせは、多くの点で優れた相性を示します。
解像度とフレームレート
ハイセンス 65E60Nのネイティブ4K(3840x2160)解像度は、Nintendo Switch 2のドック接続時の最大4K@60fps出力と完全に一致します。
テレビの60Hzリフレッシュレートも、Switch 2の4K@60fpsターゲットと直接一致しており、フレームスキップや不要な処理を防ぎます。
これは優れた互換性であり、ゲームが65インチの大画面で鮮明な高解像度で表示されることを保証します。
Switch 2が1080p/1440pで120fpsを出力できる一方で、ハイセンス製テレビの60Hzパネルはこれを60fpsに制限しますが、4K@60fpsが多くの現代のコンソールゲームにおける主要ターゲットであることを考えると、これは大きな欠点ではありません。
低遅延ゲーミング
ハイセンス 65E60Nの「低遅延ゲームモード」は、約0.83msという非常に低い遅延を実現しており、ALLM(自動低遅延モード)にも対応しています。
Nintendo Switch 2もALLMをサポートしています。これはゲーミングにおいて極めて優れた組み合わせです。
Switch 2が接続され電源が入ると、ALLM機能がハイセンス製テレビに自動的に低遅延ゲームモードへの切り替えを指示します。
このシームレスな連携により、コントローラー入力から画面上のアクションまでの遅延が最小限に抑えられ、特に競技性の高いゲームや高速なゲームにおいて、非常に応答性の高いゲーム体験が提供されます。
ハイダイナミックレンジ(HDR)
ハイセンス 65E60N(HDR10 & HLG対応)とNintendo Switch 2(HDR10対応)の両方がハイダイナミックレンジをサポートしています。
この共通のサポートにより、Switch 2のHDR対応ゲームは、ハイセンス製テレビで大幅に強化されたコントラスト、より明るいハイライト、そしてより深い影で表示され、より鮮やかで没入感のある視覚体験につながります。
テレビの広色域パネルは、これをさらに補完し、豊かな色彩再現を保証します。
ただし、HDR10は10ビットカラー信号を伝送するためのプロトコルであり、必ずしもディスプレイが真のハイダイナミックレンジ(高輝度と高コントラスト比)を表示できることを保証するものではありません。
ハイセンス製テレビの標準輝度は300ニトであり、これはHDRのインパクトを最大限に引き出すには控えめな数値です。
しかし、広色域パネルを搭載しているため、標準ダイナミックレンジ(SDR)と比較して、色とコントラストの改善は期待できます。
このため、ユーザーはHDRによる改善を体感できるものの、ハイエンドのディスプレイのような劇的なHDR体験ではないことを理解しておく必要があります。