東芝レグザ 32S24は、2020年に発売された32インチのハイビジョン液晶テレビであり、手頃な価格と基本的な機能を備えたモデルとして提供されています。
一方、2025年の発売が期待されているNintendo Switch 2は、任天堂の人気ゲーム機Nintendo Switchの後継機種として、処理能力やディスプレイ性能の向上が見込まれています。本レポートでは、これらの2つのデバイスを組み合わせた際の互換性について、それぞれの仕様や特性を考慮しながら詳細に分析します。
特に、Switch 2のゲームをレグザ 32S24でプレイする際に、どのような画質や性能が期待できるのかを明らかにすることを目的とします。
ユーザーが自身のテレビで新しいゲーム機を最大限に楽しめるかどうかを判断する上で、本記事が有益な情報を提供できれば幸いです。
東芝レグザ 32S24の技術仕様
解像度
東芝レグザ 32S24のネイティブ解像度は1366x768ピクセルであり、これは一般的にハイビジョン（HD）または720pと呼ばれるものです 。
この解像度は、フルHD（1920x1080）やウルトラHD（4K、3840x2160）と比較すると、表示できる画像の精細さや細部の表現において差があります。
高解像度のコンテンツを720pのテレビで視聴する場合、テレビは画像を縮小して表示する必要があります。
この処理は一般的にダウンコンバートと呼ばれ、視聴可能な画像を提供しますが、元の高解像度が持つ細やかなディテールやシャープネスは失われる可能性があります。
特に、Switch 2はより高い解像度での出力が期待されるため、この点は重要な考慮事項となります。
リフレッシュレート
レグザ 32S24の標準的なリフレッシュレートは、多くの同クラスのテレビと同様に、60Hzになっています。
リフレッシュレートは、1秒間に画面が画像を更新する回数を示し、ゲームにおける滑らかな動きの表現に重要な役割を果たします。
60Hzのリフレッシュレートは、一般的なテレビ番組や映画の視聴には十分ですが、より高いフレームレートで動作するゲームをプレイする際には、画面のちらつきが少なく、よりスムーズな映像体験を得るためには物足りない数値です。
Switch 2はフルHDで最大120Hzに対応しているため、レグザ 32S24の60Hzの制限により、その性能を最大限に活かすことはできません。
HDMIポートとバージョン
レグザ 32S24には、2つのHDMI入力ポートが搭載されています 。これらのポートは1080p（60p/24p）の入力に対応しており 、これはテレビが発売された当時の一般的なビデオ規格と互換性があります。
また、1つのHDMIポートはオーディオリターンチャンネル（ARC）に対応しています。
HDMIのバージョンに関する明確な記載は見当たりませんが、1080p/60Hzのサポートから推測すると、HDMI 1.4またはそれ以前のバージョンである可能性が高いです。
新しいHDMI規格、例えばHDMI 2.0や2.1は、より高い帯域幅を提供し、4K解像度での高フレームレートや可変リフレッシュレート（VRR）などの高度な機能をサポートします。このテレビには対応していません。
HDRサポート
東芝レグザ 32S24がハイダイナミックレンジ（HDR）をサポートしているという記述は見当たりません。
HDRは、映像の明るい部分と暗い部分のコントラストを向上させ、より広い色域を表現することで、映像のリアリティを高める技術です。
HDRに対応したゲームをHDR非対応のテレビでプレイする場合でも、ゲーム自体は動作しますが、HDRがもたらす豊かな色彩や深いコントラストといった視覚的な恩恵を受けることはできません。
Switch 2はHDRをサポートしていますが、レグザ 32S24ではその画質を十分に体験することができません。
オーディオ機能
レグザ 32S24は、合計12W（6W + 6W）の出力を持つステレオスピーカーを内蔵しています。
また、ヘッドホン端子と光デジタル音声出力端子も備えています。
ゲームのプレイにおいては、内蔵スピーカーからの音声出力の他に、ヘッドホンを使用することでより没入感のある体験を得ることができます。
光デジタル音声出力端子は、外部のオーディオシステムと接続する際に利用できます。
ゲーム関連機能
レグザ 32S24には「ゲームモード」が搭載されています。
ゲームモードは通常、映像処理による遅延（入力遅延）を低減し、ゲーム操作に対する画面の反応を速くすることを目的としています。
これは、特にアクションゲームやシューティングゲームなど、リアルタイムでの操作性が重要なゲームをプレイする際に有利に働きます。
その他の関連機能
レグザ 32S24は、地上デジタル、BS・110度CSデジタルのチューナーをそれぞれ2基搭載しており、別売りのUSBハードディスクを接続することで、番組を録画しながら別の番組を視聴できる「2チューナーウラ録」に対応しています。
また、「レグザエンジンファイン」という映像処理エンジンを搭載しており 、映像の残像低減や階調、質感、色彩表現の向上を図っています。
さらに「映画モード」や「ライブモード」など、コンテンツに合わせて画質を調整できる複数の映像モードを備えています 。
Nintendo Switch 2の技術仕様
携帯モードの解像度とリフレッシュレート
Nintendo Switch 2は、より大型の7.9インチLCDスクリーンを搭載し、解像度は1920x1080（フルHDまたは1080p）になると予想されています。
また、携帯モードでは最大120Hzのリフレッシュレートをサポートします。
さらに、携帯モードでのみVRR（可変リフレッシュレート）をサポートすることが明らかになっています。
これらの仕様は、Switch 2の携帯モードでのゲーム体験が、レグザ 32S24でプレイする場合と比較して、より高精細で滑らかなものになる可能性を示唆しています。
ドックモードの解像度とリフレッシュレート
ドックに接続してテレビでプレイする場合、Nintendo Switch 2は最大で4K（3840x2160）解像度、60フレーム/秒（fps）での出力に対応します。
また、1080pまたは1440pの解像度で最大120Hzのリフレッシュレートでの出力も可能になります。
ただし、VRRのサポートは現時点では携帯モードに限定され、テレビ出力では利用できません。
HDRサポート
Nintendo Switch 2は、HDR10規格をサポートします。
これにより、より広い色範囲と高いコントラスト比の映像表現が可能になります。
しかし、この恩恵を受けるためには、接続するテレビもHDRに対応している必要があります。
HDMIバージョン
任天堂は、Switch 2の性能を最大限に引き出すために、同梱される「Ultra High Speed HDMI cable」の使用を推奨しており 、これはHDMI 2.1規格に準拠している可能性が高いです。
性能とその他の機能
Switch 2は、初代Switchと比較して大幅に向上した処理能力とグラフィックス性能を持つと予想されており、PlayStation 4と同程度の性能を持つという見方もあります。
また、DLSS（Deep Learning Super Sampling）のような技術が搭載され、より高い解像度やフレームレートでのゲームプレイが可能になるかもしれません 。さらに、新しいJoy-Con 2コントローラーは、マウスのような操作機能を持つことも明らかになりました。
| 仕様 | 予想される値 |
|---|---|
| 携帯モード解像度 | 1920x1080 (1080p) |
| 携帯モードリフレッシュレート | 最大120Hz |
| ドックモード解像度 | 最大3840x2160 (4K) @ 60fps |
| ドックモードリフレッシュレート | 最大120Hz @ 1080p/1440p |
| HDRサポート | HDR10 |
| VRRサポート | 携帯モードのみ |
| HDMIバージョン | 最大HDMI2.1 |
互換性分析
解像度のスケーリング
Nintendo Switch 2がレグザ 32S24のネイティブ解像度である720pよりも高い解像度（1080pや4Kなど）で出力する場合、テレビは画像をダウンコンバートして表示する必要があります。
ダウンコンバートによって映像を見ることはできますが、細部の鮮明さやシャープさが失われる可能性があります。
特に、Switch 2が1080pで出力する場合、テレビはこれを720pに縮小しますが、これは一般的には許容範囲内であるものの、最適とは言えません。
Switch 2が潜在的に持つ4K出力の場合、レグザ 32S24ではその詳細を完全に表示することはできず、大幅なダウンコンバートにより、画像がぼやけて見える可能性があります。
リフレッシュレートの同期
レグザ 32S24のリフレッシュレートはおそらく固定の60Hzです。一方、Switch 2はドックモードで最大60fpsの4K出力、あるいは互換性のあるディスプレイであれば、より低い解像度で120fpsまでの出力が可能です。
しかし、テレビの60Hzのリフレッシュレートは、Switch 2が出力するフレームレートがそれよりも高い場合でも、表示できるフレームレートを60fpsに制限します。
したがって、ユーザーはドックモードでSwitch 2が出力できる120fpsの滑らかなゲームプレイの恩恵を受けることはできません。
また、VRRはSwitch 2の携帯モードでのみサポートされる見込みであり、テレビ出力では利用できないため、レグザ 32S24でこの機能を利用することはできません。
HDRパフォーマンス
レグザ 32S24はHDRをサポートしていません。したがって、Switch 2でHDR対応のゲームをプレイする場合、テレビはコンテンツを標準ダイナミックレンジ（SDR）で表示します。
ゲームは通常通りプレイできますが、HDRが提供する広い色範囲と向上したコントラストは体験できず、ダイナミックレンジの広いシーンでは、本来の鮮やかさや細部が失われる可能性があります。
HDMI接続と機能サポート
レグザ 32S24は、おそらくHDMI 1.4以前のバージョンを使用していると考えられます。
HDMIは一般的に下位互換性がありますが、古いバージョンでは、Switch 2が使用するHDMI 2.1などの新しい規格の帯域幅や機能を完全にサポートできない場合があります。
しかし、テレビの最大対応解像度が720pであることを考えると、古いHDMIバージョンの制限は、解像度の不一致そのものよりも重要ではありません。
たとえHDMI接続が完全に4K/60Hzをサポートしていたとしても、テレビ自体がそれを表示できないためです。
ゲームモード
レグザ 32S24に搭載されているゲームモードは、Nintendo Switch 2をプレイする際に有効です。
ゲームモードを有効にすることで、入力遅延が低減され、より応答性の高いゲーム体験が得られるはずです。
これは、アクションゲームなど、操作のタイミングが重要なゲームにおいて特にメリットとなります。
オーディオに関する考慮事項
Nintendo Switch 2からHDMI経由で出力される音声は、レグザ 32S24のオーディオシステムと互換性があります。
テレビの内蔵ステレオスピーカーから音声が出力され、ユーザーはテレビまたはSwitch 2に接続したヘッドホンを使用して音声を楽しむこともできます。
オーディオの互換性に関して、大きな問題が発生する可能性は低いでしょう。
制限と考慮事項
最も大きな制限は、レグザ 32S24のネイティブ解像度が720pであることです。
これにより、特にドックモードにおいて、Nintendo Switch 2が本来持つ高精細な映像を体験することができません。
テレビがHDRをサポートしていないため、Switch 2のHDR対応ゲームでは、その豊かな色彩とコントラストを十分に楽しむことができず、視覚的な魅力が低下する可能性があります。
テレビのリフレッシュレートが60Hzであるため、Switch 2がより低い解像度で高いフレームレートを出力できたとしても、表示できるのは最大60fpsまでとなり、120fpsの滑らかなゲームプレイは体験できません。
テレビにはHDMIポートがありますが、バージョンが古い可能性があり、Switch 2のHDMI 2.1ポートのすべての高度な機能を完全にサポートしません。ただし、テレビの解像度制限が最も大きな要因となります。
レグザ 32S24で体験できる全体的な画質は、Nintendo Switch 2がより高解像度でHDR対応の最新ディスプレイで提供できる画質と比較して、一段劣るものとなるでしょう。