ゲーミングPCを持ち運ぶ時代に
ASUSとMicrosoftの提携によって発表されたROG Xbox AllyおよびROG Xbox Ally Xは、従来のROG Allyシリーズをベースにしつつ、Xboxブランドに最適化された携帯型Windows 11搭載ウルトラモバイルPCである。
外観は従来機種に似ているものの、システム面での大幅なカスタマイズにより、単なる「リブランド製品」ではなく、Xbox携帯機としての体験を提供するために再設計された新製品とされる。
システム・OS
両機種ともにWindows 11 Homeを搭載しているが、Xbox向けに専用カスタマイズが施されており、起動直後にXboxライブラリへアクセスできる仕様となっている。
このため、Steam DeckのSteamOSに似たゲーム特化型のUI体験が得られる設計になっている。
ハードウェアの特徴
Xbox AIly(白モデル)には「Ryzen Z2 A」プロセッサ、16GBメモリ、512GB SSD、60Whバッテリーを搭載。
Xbox AIly X(黒モデル)には24GBメモリ、1TB SSD、80Whバッテリーを搭載。
いずれのモデルも7インチ・FHD・120Hz IPS液晶を採用(OLEDではない)。有機EL非採用の理由はコスト削減。
振動機能付きトリガー(インパルストリガー)はXモデルのみ実装。これは細かいフィードバックを可能にするもので、臨場感ある操作体験が可能。
新たにXboxボタンが搭載され、ゲームバー呼び出しなどPCにおけるXboxアプリと同様の操作が可能に。
コマンドセンターボタンおよびライブラリーボタンを搭載し、ゲームの管理・切り替えを効率的に行えるようUI設計がされている。
メモリ管理
特筆すべきは、システムによるメモリ使用量の削減最適化。
不要なバックグラウンド機能を停止することで、2GB分のメモリを解放し、ゲーム用途に割り当てられる。
この設計により、16GBでも14GB分がゲーム用途に使えるようになる。
将来的には、さらに3GBの解放も目指しているとされる。
拡張性と接続性
白モデルはUSB 3.2 Gen2 Type-C×2、microSDスロット、ステレオミニジャックを搭載。
黒モデルはUSB 4(Thunderbolt 4対応)+ USB 3.2 Gen2を搭載し、外付けGPUにも対応。例:ASUSのXG Mobile(GeForce RTX 5090搭載など)。
両機種ともにWi-Fi 6、Bluetooth 5.4に対応。
重量は白が約670g、黒が約715gで、サイズはSteam Deckとほぼ同等。
ソフトウェア・ゲーム対応
Windows 11により、Xbox Game PassのPCタイトルをネイティブにダウンロード・プレイ可能。
Xboxコンソール専用ゲームについては、Xbox本体とのリモートプレイにより利用可能。また、クラウドゲーミングにも対応している。
Xbox 360および初代Xboxの後方互換タイトルも、リモート経由でプレイ可能。
SteamやEpic Gamesなど、PC用の他のストアのゲームも通常通りプレイ可能。MOD対応も可能。
PlayStationブランドのPC移植版ゲーム(例:Days Gone、God of Warなど)もストア経由でプレイ可能。
GFN(GeForce Now)など他社クラウドゲームサービスにも対応。
その他の用途
フルWindows搭載のため、ノートPCとしての利用も可能。Microsoft OfficeやAdobe Premiereのようなソフトウェアも動作する。
外部ディスプレイ、マウス、キーボードの接続も可能で、作業用PCとしても利用できる。
DiscordやNetflix、YouTubeなどのアプリ使用、さらにはOBSによるライブ配信も技術的に可能。
Microsoft製の「ゲーミング・コパイロット(AI支援機能)」も利用可能。
ゲームパスの扱い
本体購入時に「追加費用なしでGame Passのゲームが遊べる」という表現については、従来のROG Allyと同様に**Game Pass Ultimateの無料コード(例:3ヶ月分)がバンドルされると考えられている。
永久的な利用権ではない。
今後の展開と将来性
本体はPCとコンソールの中間に位置する製品寿命(約3〜4年)を想定して設計されており、頻繁な新型リリースは予定されていない。
また、現行ROG AllyへのXbox向けカスタマイズOSのアップデートも将来的に検討されている。
価格と発売時期(予想)
発売は2025年のホリデーシーズン予定。
価格予想は、白モデルが10万円未満、黒モデルが15万円以上になる可能性が示唆されている。
このように、ROG Xbox AIlyシリーズは単なる「ROG AllyのXbox版」ではなく、Xbox体験に最適化された携帯型ゲームPCである。
Xboxとの統合的なUI設計、メモリ最適化、コントローラー操作の本格再現、外部GPU対応などにより、ゲームユーザーに対して高い拡張性と没入感を提供する設計になっている。
今後、Windowsベースの携帯型ゲーム機市場における有力な選択肢として位置付けられると考えられる。
あらゆるプラットフォームのゲームを一台でプレイする。ゲーミングPCに手が出なかった層に向けて
この動画では、2025年の「Xbox Games Showcase」で発表された情報、とくに携帯型ゲーム機「ROG Xbox Ally」シリーズについて、印象的な発表とその意義、今後の展望などが解説されている。
まず、「ROG Xbox Ally」シリーズはASUS製の携帯型Windowsゲーム機をベースに、Microsoftとの共同開発で生まれたXboxブランドの新型ゲーム機である。ラインナップは2種類あり、白い通常モデル(ROG Xbox Ally)と、黒い上位モデル(ROG Xbox Ally X)が存在する。
本機はWindows 11を搭載しており、XboxアプリやXbox Game Passに加えて、Steamストアも利用できる。
そのため、Xbox、PC、PlayStation(の一部移植作)といった複数のプラットフォームのゲームを一台でプレイ可能とする、非常に汎用性の高いゲーム機となっている。
とくにSteam経由で『Ghost of Tsushima』や『The Last of Us』、『Spider-Man』、『God of War』などソニーのファーストタイトルも遊べる点は大きな話題とされている。
また、Switchのようにドックを介してTVに接続し、大画面プレイも可能。
これにより、携帯型ゲーム機でありながら据え置き機のようなプレイスタイルにも対応する。
サイズ感や仕様面では、Nintendo Switch 2的な使い方と非常に似た構造が意識されていることが示唆されている。
本体の価格についてはまだ正式に発表されていないが、既存のROG Allyシリーズが約9〜11万円であることを踏まえると、それ以上の価格帯になることが予想されている。
ただし、複数のプラットフォームのゲームが遊べるという利便性を考えると、「10万円を超えても割安」との見方も提示されている。
この「Xbox Ally」シリーズは、事実上“ゲーム統一機”としての可能性を秘めた新ジャンルの携帯ゲーム機として注目されており、とくにPCをまだ所有していないライト層やコンソール中心のゲーマー層に強く訴求する製品とされている。
続けて、「Xbox Games Showcase 2025」で発表された注目ゲームタイトルについても触れられている。
まず、合計30本の新作タイトルが発表され、そのうち16本がXbox Game Pass対応タイトルとして初日からプレイ可能であることが明かされた。
この中でとくに注目されたのは、ゲームフリークの新作『Beasts of Reincarnation』である。これまでポケモンシリーズで知られていた開発元が、リアル志向のアートスタイルとガチャ要素のあるアクションゲームをリリースすることに驚きが表明されている。
このタイトルもGame Passに初日から対応予定であり、2026年発売とされている。
さらに、『クロノス(Chronos)』という新作サバイバルホラーが、サイレントヒル2リメイク開発スタジオによって制作されており、デッドスペース系のサードパーソン視点のゲームとして注目されている。発売は2025年秋予定であるが、Game Passには非対応とされる。
そして、『ファイナルファンタジーVII リメイク Intergrade』および『ファイナルファンタジーXVI』がついにXbox向けに登場。
Intergradeは2025年冬に発売予定、XVIはすでにMicrosoft StoreとXboxストアで販売中。
これまでPlayStation独占だったFFシリーズの新作が今後Xboxでも展開される流れが生まれており、今後のサードパーティー戦略においても大きな転換点と位置づけられている。
総括すると、今回の発表で最も注目を集めたのは、「ROG Xbox Ally」シリーズというハードウェアの登場であり、それは複数のゲームプラットフォームを統合する存在=“ゲーム統一機”としての革新性を帯びている。
また、Xbox Game Pass対応の新作群や、他社タイトルのXbox展開などを通じて、Xboxのエコシステムが今後さらに拡張されていく兆しが強く感じられる内容となっていた。
この携帯型ゲーム機のリリースと新作タイトル群の投入は、Xboxが日本国内外で存在感を再構築する大きな一歩と位置づけられる可能性がある。今後の価格発表とリリース時期に注目が集まるのは間違いない。
ROG Xbox Allyはどのようにして生まれたのか。ASUSとMicrosoftのいいとこどり
「Xbox Ally」は、ゲーム体験を中心に据えることをコンセプトに誕生した携帯型ゲーム機であり、ASUSとXboxチームが共同開発した初の製品である。
目的は明確で、「ゲームのために作られたデバイス」であると実感できる設計を目指している。ユーザーが手に取った瞬間に「これはXboxだ」と感じられるように、ハードウェアの形状、操作性、ソフトウェアの起動体験まで細部にわたりXboxらしさが反映されている。
特に注目すべきは、本体デザインにXboxコントローラーのDNAが受け継がれている点である。非対称スティック、ABXYボタン、インパルストリガー、振動フィードバックなど、慣れ親しんだXboxの操作感をそのまま携帯機に落とし込んでおり、筋肉記憶に訴えるフィット感がある。
Xboxボタンを押せば、Xbox Game Barが立ち上がり、ゲームのパフォーマンス情報、チャット、設定、フレンドとのやりとりなどに即座にアクセス可能で、ゲーム中にWindowsの煩雑な操作に触れる必要はない。
画面は1080p/120Hz・VRR対応の高輝度パネルを搭載し、屋外でも視認性に優れた明瞭な映像体験を提供する。
これは据え置き機で得られる映像品質をそのままモバイルへ持ち込む試みであり、「電源を入れたらすぐに遊べる」というコンソールの利便性を再現する設計思想がある。
「Xbox Ally」は全てのWindows対応ゲームに対応しており、Microsoft Store、Steam、Epic Games Store、さらにはXbox Game PassやXbox Play Anywhereの仕組みを通じて、ユーザーのゲームライブラリをそのまま持ち歩けるという自由度がある。
ダウンロードプレイ、リモートプレイ、クラウドプレイすべてに対応し、どこにいても自分のゲーム環境を再現可能となっている。
さらに上位モデルの「Xbox Ally X」は、高解像度・高フレームレート・最大の処理性能を求めるヘビーユーザー向けに設計されたモデルである。
Ryzen AI Z2 Extremeという最新のAI処理対応プロセッサを搭載しており、バッテリー効率とパフォーマンスの両立を実現。
Triple-Aタイトルも快適に動作し、かつて据え置き機でしか得られなかった体験を携帯可能にする次世代ハードとして位置づけられている。
AI機能の統合も本機の特長で、AIを活用した音声処理、ゲームアシスト、描画補完などによって、より快適でプレイヤーに寄り添った体験が提供される。
AIは「もう一人のゲーム仲間」として機能し、設定や起動操作の簡素化、ゲーム中のサポートなどを通じてプレイヤーが純粋にゲームに没頭できる環境を支える。
開発初期には社内外から「ASUSはゲームコンテンツを持たない」という懐疑の声もあったが、ASUSがハードウェア、Microsoftがソフトウェアとエコシステムという互いの強みを活かした協業によって、それは打破された。
試作段階では「ピザボックス」や「段ボールユニット」と呼ばれるようなプロトタイプから始まり、ゲームバーやXboxボタンの統合、エルゴノミクス(人間工学)に基づく形状の微調整など、多くの改良を経て完成に至った。
このデバイスの設計は、「ASUSらしい堅牢で鋭角的な造形」と「Xboxの直感的で親しみあるユーザー体験」の融合であり、外観には両者の協業を示すマイクロテクスチャーの“隠し要素”も施されている。
これは、物理的な設計にまでXboxのアイデンティティを染み込ませた象徴的なディテールである。
また、ソフトウェア面でもWindows上の無駄なプロセスを自動でオフにし、ゲームに必要なメモリを最大限確保するなど、Windowsベースでありながら、ゲーム専用機のようなシームレス体験が提供されるよう最適化されている。
これにより、プレイヤーはOSを意識することなく、ただゲームに集中することができる。
「Xbox Ally」は、プレイヤー自身が主役であるというXboxのビジョンを体現する製品であり、どこにいても自分のゲーム、コミュニティ、実績と一体となってプレイできる環境を提供する。
プレイは一つのデバイスに縛られるべきではないという理念に基づき、クラウドやローカルプレイなど、あらゆる方法で「好きなゲームを、好きな場所で」実現する。
この製品は、単なる携帯型ゲーム機ではなく、「これまで家庭に限定されていたゲーム体験を外へ持ち出すことを可能にした新しいスタンダード」として提示されている。
性能・柔軟性・即応性すべてを備え、プレイヤーが常に“遊び”の中心にいられるよう設計された、Xboxの次なる進化である。
他社の成功例を取り入れてさらにグレードアップ
今回初めて公開された「Xbox ROG Ally X」は、ASUSとMicrosoftが共同開発した初の“Xbox”ブランドを冠したPC系携帯ゲーム機であり、AMDの最新モバイルプロセッサ「Ryzen Z2 Extreme(Zen 5世代・16CU)」を搭載するなど、これまでにない構成となっている。従来のROG Allyとは根本的に異なり、XboxチームがWindowsそのものに手を加え、ゲーム専用に最適化されたUIやシステム設計がなされている点が大きな特徴である。
この新たなデバイスでは、起動時に従来のWindowsデスクトップをスキップし、Xbox専用のフルスクリーンUIに直行する設計となっている。このUIではGame Pass、Windows Store、Steamなど、主要ゲームストアのライブラリを一括管理でき、プレイヤーは「遊ぶこと」に集中できる環境が用意されている。また、不要なWindowsプロセスの停止により、2GB相当のメモリ節約が可能になっており、今後さらに最適化が進むとされている。
本体デザインは、Nintendo Switch 2のような軽量・薄型ではなく、エルゴノミクス(人間工学)に基づいた大型グリップと傾斜付きディスプレイを採用しており、重量はあるものの長時間使用時の快適さを重視している。特にXbox Ally Xモデルにはインパルストリガー(振動付きトリガー)やThunderbolt互換USB4ポートが搭載され、外部GPUとの接続も可能である。
本体仕様に関しては、Xbox Ally Xが上位モデルとして以下のスペックを有する:
Ryzen Z2 Extreme(Zen 5 & Zen 5C混成)
24GB LPDDR5X(8,000MT/s)
1TB SSD(M.2 2280)
80Whバッテリー
一方、標準モデル(Xbox Ally)は、性能が大きく抑えられており、AMD Ryzen Z2Aを搭載しているが、これは旧型のSteam Deckに搭載されていたZen 2ベースのAerithプロセッサに近いとされる。Microsoft側もこのモデルを720p解像度でのゲームプレイを前提とした設計と位置づけている。
両モデルとも、1080p / 120Hz / VRR対応 / 最大輝度500nitsのディスプレイを共通して搭載しているが、Steam Deck OLEDのようなHDRや超低遅延応答性、暗所での見やすさといった点では劣る。AMDのFSR(アップスケーリング)技術により描画解像度を補完する形が想定される。
ソフトウェア面においては、MicrosoftはValveの「Steam Deck Verified」に類似した互換性評価制度を導入予定である。ただし、Xboxは一機種だけを対象とせず、複数のスペック帯にまたがるデバイス群を前提にしているため、ユーザーのPC構成とプレイ実績・フレームレートなどのWindowsテレメトリーデータを活用して対応ゲームの動作目安を提供する方針となっている。
UIに関しては、Xbox専用フルスクリーンUIの起動が基本であり、必要に応じてデスクトップモードに切り替えることもできる。ジョイスティックによるマウス操作や外部キーボード・モニター接続を通じて、通常のWindows操作も可能となっている。Windowsアップデートの扱いなど、従来のPCとXboxの中間に位置する仕様についてはまだ調整中である。
新しいゲームライブラリ機能では、Xbox、Game Pass、クラウドゲーム、リモートプレイ、Steamなど異なる出自のゲームが統合表示され、プレイヤーの進行状況・実績・プレイ履歴を自動同期し、どこでも継続プレイが可能となっている。また、Game BarのUIも刷新され、ショルダーボタンによるページ切り替えなど、コントローラーに最適化された直感的な操作性が特徴とされている。
このような仕様は、今回のROG Allyシリーズだけのために用意されたものではなく、将来的にはWindows全体に波及させる計画の一部とされている。Microsoftは「すべてのスクリーンをXboxにする」というビジョンを掲げており、今回のUIや最適化、システム設計はその一環である。つまり、本製品群はWindowsゲーム体験の今後の方向性を象徴する“試金石”といえる。
価格については未発表であるが、既存のROG Allyシリーズと同程度になる可能性が示唆されており、従来のXboxコンソールよりは高価になると予想される。ただし、Xbox Game Pass、Windows互換性、クラウドゲーミング、PCゲームストア対応、外部GPU接続など、機能の多さを考慮すると、それに見合った価格設定になると見られている。
総じて「Xbox ROG Ally X」は、ゲーム専用機の直感性とWindows PCの柔軟性を融合した、新世代の携帯型ゲーミングプラットフォームとして位置づけられている。その設計思想は単なるハードの進化にとどまらず、Windows全体のゲーム環境の改革と、PCとコンソールの境界線を曖昧にするMicrosoftの長期ビジョンの具体的な一歩である。今後はASUS以外のデバイスや通常のWindows環境にも、こうした改良が波及していく可能性が高い。
余計なものを排除しゲームに特化したWindows
2025年のホリデーシーズンに発売が予定されている「ROG Xbox Ally」および「ROG Xbox Ally X」は、ASUSとMicrosoftが初めて共同でブランドを冠した製品であり、従来のROG Allyをベースにしつつ、Windows 11をXbox専用UIに最適化した次世代携帯型ゲーミングデバイスである。
これは、現時点では「次世代Xbox」や「純正ポータブルXbox」ではないものの、Xboxブランドの今後を示唆するプロトタイプ的存在といえる。
これらのデバイスの最大の特徴は、Windows 11の不要なプロセスを排除し、Xbox専用のフルスクリーンUIで直接起動するという点にある。
従来のWindowsとは異なり、タスクバーやバックグラウンドリソースの一部が省かれており、ユーザーは「ゲームが中心」の体験に集中できる環境が提供される。
このUIは、Xboxアプリの「コンパクトモード」に近い外観を持ち、Game Pass、Steam、Battle.netなど複数のゲームライブラリを一括で管理・起動できる。
さらに、新しいXbox Game Barオーバーレイにより、音量調整・Wi-Fi接続・通知・画面輝度など、従来タスクバーで行っていた操作もゲーム中にスムーズに行える。
また、Armory Crate(ASUS独自のパフォーマンス調整ツール)もOSレベルでXbox UIと統合されており、画面解像度やフレームレート、TDPの調整が高速・直感的に行えるようになっている。
デモプレイでは『Gears of War Reloaded』をプレイ中に設定を切り替えても遅延はほとんどなく、Steam Deckに匹敵する操作感だったとされている。
ハードウェア面でも改善が施されており、新デザインでは大型グリップの採用や傾斜付きディスプレイによるエルゴノミクスの向上が図られている。
ボタン配置も自然で、短時間の試遊でも「非常に快適」と評価されている。また、外装にはASUSとXboxの両ロゴが刻まれたマイクロテクスチャーが施され、PlayStationのプロダクトデザインにも似たブランド表現が意識されている。
スペックは2モデルで大きく異なる。
通常版の「Xbox Ally」は、
Ryzen Z2A SoC(詳細未公開)
RAM 16GB
SSD 512GB
バッテリー 60Wh
7インチ 1080p / 120Hz IPSディスプレイ
となっており、720pクラスのゲームプレイを想定した性能とされている。価格帯は推定で500〜600ドル前後と見込まれており、Steam Deck OLEDやLenovo Legion Go Sの競合に位置づけられている。
一方、「Xbox Ally X」は、
Ryzen Z2 Extreme SoC(Zen 5ベース)
RAM 24GB
SSD 1TB
バッテリー 80Wh
同じく7インチ 1080p / 120Hz IPSディスプレイ
インパルストリガー(Eliteコントローラー同様の振動対応)
などを搭載し、900p〜1080pのAAAタイトルを快適に動かせるプレミアム仕様となっている。
こちらの価格は明言されていないが、既存のROG Ally Xと同等の800〜900ドル台が想定されている。
ただし、ディスプレイはどちらも旧世代と同じIPSパネルであり、Steam Deck OLEDのHDRや応答速度・暗所視認性などには及ばない。
AMDのFSRアップスケーリングなどを活用することで補完されることが期待されている。
Microsoftはこのデバイス群を通じて、「Steam Deck Verified」に似た互換性チェックの仕組みを用意する予定である。
ただし、Valveとは異なり、単一機種ではなく複数のWindowsデバイスを想定しているため、Windowsのテレメトリーデータ(スペック、フレームレートなど)をもとに、ゲームの快適度を推測・表示する仕組みになるという。
また、Steam OSと異なり、必要に応じて通常のWindowsデスクトップ環境への切り替えも可能で、ジョイスティックでマウス操作をしたり、外部モニターや周辺機器を接続してフルPCとして使うこともできる。
ただし、Windowsアップデートが今後どのように扱われるかについては未確定である。
この共同ブランドは、ValveがLenovoと提携してSteam OSを外部展開する動きに対するMicrosoftの防衛的戦略と見る向きもある。
Windows上でのゲーミング体験がSteam OSに劣っているという認識が広がるなかで、Microsoftが真剣にUX改善に取り組み、将来的な“純正Xboxポータブル”の布石としてROG Allyを活用しているとも解釈できる。
現状、PS5に対して大きくシェアを落としているXboxプラットフォームにとって、PC市場でのプレゼンス維持とWindowsとの連携強化は非常に重要な施策となっている。
「すべての画面をXboxにする」というビジョンの一環として、今回のROGとの提携はその第一歩であり、同時にWindowsゲーミング体験の抜本的改革を進めるための実験場でもある。
総括すると、「ROG Xbox Ally」「Ally X」は、単なる携帯型ゲーム機ではなく、XboxとWindowsを融合した未来のPCゲーミングの試金石であり、MicrosoftにとってもASUSにとっても、今後の戦略において重要な意味を持つ製品である。
これらの進化がWindows全体に波及し、プレイヤー全体の恩恵となることが期待される。今後の展開と正式価格の発表が待たれる。
試作機から伝わる完成度の高さ!次世代携帯ゲーム機のスタンダードになり得るか
この端末は、従来のASUS製ハンドヘルドPC「ROG Ally」に、Xboxのデザイン哲学とソフトウェア統合を加えた製品であり、見た目としては「ROG AllyとXboxコントローラーの融合」ともいえるフォルムとなっている。
2モデル展開で、上位モデルの「Ally X」(黒)と下位モデルの「Ally」(白)が存在する。
外観上の印象とは裏腹に、実際に手に取ってみると意外にも厚みは感じにくく、グリップ感が良好でボタン配置も自然で操作しやすい。
これは、画像で見た印象よりもはるかに洗練されていると述べられている。
特筆すべきは、OSの起動時にWindowsのデスクトップをスキップし、Xbox独自のランチャーに直行する仕様である。
これにより、バックグラウンドプロセスを削減し、リソースの節約と快適なユーザー体験の両立を目指している。
テスト機ではこの新UIがスムーズに動作し、Xboxボタンでアプリの切り替えも快適だった。
また、Windowsログイン画面も本体のコントローラーだけで簡単に操作できた点は、従来のWindowsベース機とは一線を画すと評価されている。
スペック面では、上位機種「ROG Xbox Ally X」にはAMD Ryzen AI Z2 Extremeが搭載されており、8コア16スレッドのCPUとRDNA 3.5世代の16CU GPUを内蔵し、グラフィック性能の高さが期待されている。
メモリは24GB(8,000MT/s)、ストレージは1TB SSD、バッテリー容量は80Whで、重量は715g。消費電力は15〜35Wであり、AI処理に対応したXDNA NPUも備えている。
下位モデルの「ROG Xbox Ally」にはRyzen Z2A(Zen2世代の4コア8スレッドCPU+RDNA 2世代の8CU GPU)が搭載されており、こちらはSteam DeckのCPUよりも高クロックで、やや性能が上とされている。
メモリは16GB(6,400MHz)、ストレージは512GB SSD、バッテリーは60Wh、重量は670gとやや軽量。主に低〜中負荷ゲームのプレイ(720p前後)を想定した構成とされている。
どちらのモデルにも7インチ 1080p 120HzのIPS液晶が採用されており、VRR(可変リフレッシュレート)にも対応。
画面サイズは他の競合機(例:Legion Go S)のように8インチには達しておらず、筆者はもう少し大きいとより理想的だったとコメントしている。
実際のプレイテストでは、『Gears of War Reloaded』をAlly Xでプレイできたとのこと。
1080pで設定を中〜高に調整しても平均70fps以上で非常に滑らかに動作していたが、録画は制限されていたため映像記録はされていない。
とはいえ、早期試作機にしては驚くほど完成度が高く、期待できると述べられている。
なお、価格や発売日は明言されていないが、2025年のホリデーシーズンが発売時期とされ、価格はROG Allyシリーズの既存機種($799〜$899)に近い水準になると見込まれている。
総じて、ROG Xbox Allyシリーズは、XboxとASUSが手を組んで生まれた、Windowsベースの携帯型ゲーミングPCの新たな一手であり、ソフトウェアの最適化と新APUの導入によって、これまでにない使用感と高性能が期待されている。
特に上位モデル「Ally X」は、AI処理対応のRyzen Z2 Extremeを搭載し、競合機種を凌駕するスペックを目指したプレミアムモデルである。
今後の市場評価や正式なベンチマーク、価格設定が注目されるが、現段階では携帯ゲーミングPC市場における有力な選択肢になると見られている。
手にフィットするコントローラー
この動画では、新しく発表された「ROG Xbox Ally」および「ROG Xbox Ally X」という2つの携帯型ゲーミングPCについて、発表会で短時間ながら実機を手に取った感想と、仕様や機能の概要が紹介されている。
ASUSとMicrosoft(Xbox)の初の正式な共同ブランディング製品であり、ハードウェアとソフトウェアの両面で従来のROG Allyシリーズから大きな進化を遂げていると評価されている。
まず、最大の特徴として本体の形状が従来の角ばったデザインから、Xboxコントローラーのようなグリップ形状に刷新されたことが挙げられている。
実際に手に取ると、「コントローラーを引き延ばして中央に画面をはめ込んだような感触」で、非常に自然で快適な持ち心地を実現しているという。
これにより、長時間のプレイでも手に負担がかかりにくく、これまでの携帯型PCでは感じられなかった快適さが得られている。
ソフトウェア面でも大きな変化があり、起動時にWindowsのデスクトップではなく、Xboxのフルスクリーンランチャー(Xbox Fullscreen Experience)が立ち上がる仕様になっている。
これにより、不要なバックグラウンド処理が排除され、メモリ消費やリソース負荷が削減され、フレームレートの向上や安定した動作が期待できる。
このUIでは、Xbox Game PassやBattle.netなどから購入・インストールしたゲームを一元管理でき、専用の「Xboxボタン」や「ライブラリボタン」を押すだけで直感的にゲームへアクセス可能となっている。
従来のWindowsベースのUIで不便だったコントローラー操作とのミスマッチも解消されており、まさに“本物のXbox携帯機”と呼べる操作性を実現しているとされている。
スペックに関しては、上位モデルの「ROG Xbox Ally X」が高性能なAMD Ryzen AI Z2 Extremeプロセッサを搭載し、24GBのRAM、1TBのSSD、80Whの大容量バッテリーを備えている。
7インチのフルHD(1080p)・120Hz・500nitsのIPSディスプレイを搭載し、高精細な描写と滑らかな映像体験を実現。
また、Thunderbolt 4対応のUSB-Cポートを含む2つのUSB-Cポート、ヘッドホン端子、microSDカードスロットも搭載し、拡張性も高い。さらに、HD振動(インパルストリガー)も搭載しており、臨場感のある操作体験を提供する。
一方、下位モデルの「ROG Xbox Ally」は、同じく7インチディスプレイや同系統のボタン配置を採用しながらも、AMD Ryzen Z2プロセッサ、16GB RAM、512GB SSD、65Whバッテリーを搭載し、ハプティックやThunderboltには非対応。
とはいえ、使用感や見た目、ディスプレイの質感には大きな差がなく、より価格を抑えた選択肢として位置付けられている。
さらに、将来的にThunderbolt 5対応の新型XG Mobile(外付けGPUユニット)を接続することで、NVIDIA GeForce RTX 5090相当のGPU性能を外部で利用できる拡張性も示唆されており、据え置きゲーミングPCとしての活用も視野に入っている。
発表時点では価格や発売日は明らかにされていないが、2025年ホリデーシーズン(年末商戦期)の発売が予定されており、価格帯は従来のROG Allyシリーズと同等か、やや高めになると予想されている。
この製品は、携帯ゲーム機におけるXboxのブランド価値と、Windowsプラットフォームでのゲーム体験を融合させた新たな挑戦であり、Xboxブランドのモバイル展開にとって大きな一歩となる可能性がある。
筆者は「これこそすべての携帯ゲーム機が備えるべき快適さ」と強調しており、操作感・性能・拡張性すべてにおいて高く評価している。将来のレビューと本格的な体験を楽しみにしていると述べて締めくくられている。
この動画は、ASUSとMicrosoft(Xbox)のパートナーシップによる新型ハンドヘルドデバイス「ROG Xbox Ally」と「ROG Xbox Ally X」に関する先行レポートです。
ソフトウェアとハードウェアの両面から紹介されていますが、特に注目すべきはWindowsの操作性とゲーム体験を大幅に改善する、ソフトウェア面での大きな変革です。
まずソフトウェアについて、従来のWindowsデスクトップを起動時に完全にバイパスし、代わりに「Xbox体験」と呼ばれるインターフェースに直行する設計となっています。
これにより、ユーザーはまるでコンソールを操作しているかのような直感的な操作が可能になり、Windowsの煩雑なUIを意識する必要がありません。
XboxコントローラーのみでPIN入力やUAC(ユーザーアカウント制御)への応答が可能であり、これまでPCでは必須だったマウスやキーボードの操作が不要になります。
これにより、Xboxコントローラーが“第一級のインターフェース”として認識される設計になったことが強調されています。
また、ゲームの切り替え操作もコントローラーのXboxボタンでAlt+Tabのように行えるなど、コントローラー中心のUXが徹底されています。
各社独自の設定ソフト(例:ASUSのArmory Crate)も、Xbox Game Bar内のウィジェットとして統一的に扱われるようになり、ハンドヘルド機でも管理性が高まっています。
さらに、MicrosoftはSteam Deckの「動作確認済みラベル」に類似した仕組みを計画しており、Windowsのテレメトリーデータを活用して、どのゲームがどの機種でどれほど快適に動作するかを自動的に判定する仕組みの構築を目指しています。ただし、この仕組みの精度や実用性は今後の評価が必要です。
次にハードウェア面ですが、「ROG Xbox Ally」シリーズには2種類のモデルが存在します。
上位機種の「ROG Xbox Ally X」は、AMDの新型プロセッサ「Ryzen Z2 Extreme(Z2E)」を搭載し、24GBのRAM、80Whの大容量バッテリーを備え、ディスプレイは既存のROG Allyと同様の7インチ、120Hz、フルHDパネルです。
このZ2EではAI処理を担うNPU(Neural Processing Unit)が有効になっており、前世代(Z1 Extreme)とは異なる点です。
USB4にも対応し、Thunderbolt 4によるeGPU(外付けGPU、NVIDIA 5090など)との接続も可能となっています。
一方、下位機種「ROG Xbox Ally」はRyzen Z2(Z2A)を搭載し、16GBのRAM、512GB SSD、60Whバッテリー構成となっており、スペック的にはSteam Deckよりやや上の“Steam Deck Plus”に相当する性能と位置づけられています。
ただし、メモリのクロックについては事前リークの8533MT/sに反し、実機は6400MT/sだったとのことで、スペックの再確認が必要です。
全体として、MicrosoftはこのプロジェクトでWindows OS自体をPCハンドヘルド向けに再構築し、ユーザー体験の最適化を本気で目指していることが強調されています。
PCゲームの煩雑さを排除し、コンソールのような即時性・直感性を持たせるという狙いが見られます。
まだ開発初期段階ではあるものの、期待値は非常に高く、特にソフトウェアの進化は従来のWindowsベースのゲーミングデバイスにはない大きな進歩です。
このレポートはあくまで先行プレビューであり、今後さらなる詳細や仕様変更がある可能性も示唆されていますが、現時点ではMicrosoftとASUSによるこの新たな取り組みは、PCゲームの操作体験を根本から見直す重要な一歩として非常に注目されています。