今回の記事では、ゲーミングモニター「LG 27US500-W」とNintendo Switch 2やPS5といったコンソールゲーム機との相性について調査してまとめています。
これから、新しいゲーム用のモニターを探しているという方の参考になると思います。
Nintendo Switch 2との4K HDR映像出力の互換性
Nintendo Switch 2の出力スペック
新世代機「Switch 2」はドック経由のテレビ出力で最大4K解像度かつHDR10映像に対応し、フレームレートは4K時最大60fpsに制限されています。
加えて、1080p解像度に落とせば最大120fps表示にも対応します(※120Hz動作はフルHDまで)。
従来Switchが1080p/60fps・HDR非対応だったのに比べ、大幅な表示性能向上が図られています。
LG 27US500-Wモニターの対応能力
一方、LGの27US500-Wは27インチ・UHD 4K (3840×2160)解像度のIPSパネルを搭載し、HDR規格はHDR10信号入力に対応しています。
HDCP2.2にも対応しており、4K著作権保護コンテンツやゲーム機側の映像出力を問題なく表示できます。
モニター自体の最大リフレッシュレートは60Hzで、製品仕様上それ以上の高フレームレート入力には対応していません。
つまり、Switch 2の映像出力仕様とモニター側の対応能力はほぼ合致しており、4K解像度+HDR10の映像を60fpsでそのまま映し出すことが可能です。
互換性と注意点
Switch 2を本モニターに接続すれば、従来より高精細な4K画質とHDRによる鮮やかな映像を楽しめます。
HDR出力を有効にするには、Switch 2側でHDRがオンになっている必要があります(設定でHDR出力を「自動」または「オン」に)。
モニターはHDR信号を受信すると自動でHDR表示モードに切り替わります。
色域はDCI-P3 90%カバーと広めで発色も良く、Switch 2のHDRコンテンツでも発色豊かな表示が期待できます。
ただし本モニターの標準輝度は300cd/㎡程度で、これは高輝度テレビに比べると低いため、HDR映像のピーク輝度やコントラスト感は「表示はできるが効果は控えめ」と心得てください(いわゆるエントリーHDR対応の範囲)。
また、Switch 2が対応予定の可変リフレッシュレート(VRR)は携帯モード時のみ有効になるため、ドック出力では現状VRR非対応です。
従ってVRRに関しては本モニター接続時には気にする必要はなく、固定60Hzでプレイする形になります。
まとめ
Switch 2とLG 27US500-Wの映像相性は良好であり、4K解像度とHDRというSwitch 2の新要素をフルに活かせます。
4K対応により細部までシャープな描写が可能で、27インチというサイズでは画素密度も高いため映像が非常に緻密です。
HDR対応も相まって、対応ゲームでは色の深みや明暗表現が向上します。
ただし前述のとおりモニター自体のHDR性能は限定的なので、「HDR表示は可能だが劇的なコントラスト向上は望みにくい」という点は踏まえておきましょう。
また、高リフレッシュレートを要するような場面(例: 将来的に120fps対応ゲームを1080pで遊ぶ場合)は、本機では60fpsまでに留まる点も認識しておいてください。
スピーカー非搭載による音声出力の問題と代替手段
音声出力の課題
LG 27US500-Wには内蔵スピーカーが搭載されていません。
そのため、Nintendo Switch 2をドック接続して映像を表示した場合でも、モニター本体からは音が出ず、このままではゲームの音声を聞くことができません。
テレビとは異なり、モニター使用時は音声を別途出力する必要があります。
代替手段1:モニターのヘッドホン端子を利用
本モニター背面にはヘッドホン出力(ステレオミニジャック)が備わっており、HDMIで入力された音声をアナログ音声として取り出すことが可能です。
ここに市販のヘッドホンやイヤホンを接続すれば直接ゲーム音声を聞くことができます。
また、PC用の外部スピーカー(アクティブスピーカー)やサウンドバーをこのヘッドホン端子に繋げば、モニター経由で外部スピーカーから音を出力できます。
音量調整は接続したスピーカー側で行うか、モニターの音声設定メニューでヘッドホン出力レベルを調整します。
SwitchとPS5の両方をこのモニターに繋いでいる場合でも、ヘッドホン端子からは現在表示中の映像の音声が出力されます。
代替手段2: ゲーム機本体から音声を取る
Switch系ハードの場合、本体のイヤホン端子がドック接続時にも有効です。
Switch 2でも従来同様にドックに挿していても本体上部のヘッドホンジャックから音声が出力されると考えられます。
そのため、ドックに装着した状態のSwitch 2本体(上部または側面にあるイヤホン端子)にヘッドホンやイヤホンを直接挿して音を聞くこともできます。
ただし、この方法では有線で本体に繋ぐ必要があるため、ドック設置場所によってはケーブル長の制約があります。
またSwitch(現行機)ではBluetoothオーディオ機能も公式にサポートされており、Switch 2でもワイヤレスイヤホンが使用可能なはずです。
遅延は僅かに生じますが、Bluetooth対応ヘッドホンやイヤホンをSwitch本体とペアリングしてワイヤレスで音声を聞くことも可能です。
代替手段3: その他の音声出力方法
PlayStation 5など他のゲーム機の場合は、本モニターのヘッドホン出力を使う方法が一般的です。
加えてPS5ではDualSenseコントローラーの3.5mmヘッドホン端子にヘッドホンを接続し、コントローラー経由でゲーム音声を聞くこともできます。
これは手元で音量調整もできる利点があります。
さらに本格的に環境を構築するなら、HDMIオーディオ分離器を用いてHDMI信号から音声だけを抽出し、アンプや光デジタル入力対応スピーカーに繋ぐ方法もあります。
しかし、モニター背面にイヤホン端子がある以上、特別な機器がなくても基本的な音声出力には困りません。
まとめ
モニターにスピーカーが無い場合でも音声を出す手段は複数あります。
手軽なのはモニターのヘッドホン端子にスピーカーかヘッドホンを挿す方法で、Switch/PS5問わず利用可能です。
あるいはSwitch本体やPS5コントローラ側から音を取る方法もあります。
自分のプレイ環境に合わせて、ヘッドホンで楽しむか、PC用外部スピーカーを用意するか検討してください。
テレビのように本体から直接音が出せない点は留意が必要ですが、上記のような対策を取れば問題なくゲームサウンドを楽しめます。
テレビモード中心で利用する際の適性
画面サイズと表示品質
27US500-Wは27インチサイズのモニターで、一般的なテレビに比べると画面は小さめですが、密度の高い4K解像度により精細な映像を映し出せます。
Nintendo Switch 2をテレビモード(ドック接続)中心で遊ぶ場合、1人でデスクに向かってプレイする用途には非常に適しています。
画面との距離が近ければ27インチでも没入感が得られ、4K対応ゲームでは細部までくっきり表示されるでしょう。
またIPSパネル採用で視野角が広いため、モニターから多少離れたり斜め方向から見ても色やコントラストの変化が少なく、複数人で画面を覗き込むような場合でも全員が見やすい利点があります。
入力遅延とゲーム向け機能
本モニターはPC用途向けだけでなくゲーム用途にも配慮された設計で、映像エンジンは余計な遅延を発生させにくくなっています。
LG独自のDAS(Dynamic Action Sync)モードを搭載しており、映像信号処理の遅延を最小化して素早い操作入力に対する画面反応を向上させています。
実質的にテレビのゲームモードと同等かそれ以上に応答性が良く、アクションゲームや対戦ゲームでも快適です。
さらにブラックスタビライザー機能も備えており、暗いシーンでの視認性を高める調整が可能です。
薄暗いステージの多いゲームなどでこの機能をオンにすれば、暗部が持ち上げられて敵や障害物が見やすくなる効果があります。
これらの機能は画質メニューで切替可能で、テレビモードでSwitchを遊ぶ際にも有用でしょう。
解像度スケーリングの挙動
現行のNintendo Switch(初代モデル)をお持ちの場合、本モニターに映すと最大でも1080pの映像信号になりますが、27US500-Wは4Kパネル内でフルHD映像を綺麗にスケーリング表示します。
画面比率16:9は同じなので余白は出ませんし、ドットバイドットの4倍表示となるため粗さも目立ちにくくなります。
加えて本モニターには超解像度技術(Super Resolution+)が搭載されており、低解像度映像の輪郭を補完してシャープに見せることも可能です。
そのため、Switch(初代)や一部の1080p出力ゲームをプレイする場合でも、モニター側の補正である程度精細感を向上させることができます。
運用面の違い
テレビと異なりモニターにはリモコンが無く直接ボタン操作が必要ですが、Switch側で電源連動していればドック接続時にモニターが自動で入力切替・電源オンする機能が使える場合もあります(※本機はHDMI CEC非対応の可能性があるため、手動で入力を切り替えることになるかもしれません)。
入力端子はHDMIが2系統あるため、例えばSwitch 2とPS5を同時に接続しておき、モニターの入力を切り替えて使うことも可能です。
スタンドはチルト調整(上下角度調整)のみに対応し高さ調整はできませんが、一般的な机上設置で目線の高さにほぼ合う設計です。
画面はノングレア加工なので照明や日光の映り込みも少なく、長時間プレイでも目が疲れにくいでしょう。画面の反射は黒い映像シーンでは非常に見づらくなりますので、ノングレアは利点になります。
留意点
「テレビモード中心」としてリビングテレビの代替に使う場合、27インチというサイズ感は視聴距離が近い前提になります。
ソファから離れて見るには小さいため、基本はデスクやテーブルに置いてプレイするスタイル向けです。
家族や友人と数人で集まって遊ぶには物理的に画面が小さく、音声も別途スピーカーが必要なので、そういった用途が多い場合はもう少し大型のテレビやモニターを検討したほうがよいかもしれません。
一方で一人で腰を据えてゲームに没頭する用途には最適と言えます。
応答性や表示の鮮明さはテレビモード運用でも非常に良好で、Switch 2の性能を引き出すディスプレイ環境としては十分適しているでしょう。
将来的にPS5でも使用する場合の相性・性能評価
4K解像度・HDR対応
PlayStation 5は最大4K 120HzやHDR出力に対応するハイエンドコンソールですが、本モニターで使用する場合は4K解像度・HDR10・60Hzまでの表示となります。
27US500-WはHDMI2.0帯域のため4K@120Hz信号は受け付けられず、PS5側で120fps対応のタイトルを動かしても映像は60fpsに制限されます。
多くのPS5タイトルは4K60fpsまたは4K30fpsが主流なので、大半のゲームは問題なく最高解像度でプレイ可能です。
HDRについてもPS5は標準でHDR10信号を出力しますが、モニターがそれを認識・表示できます。
映画鑑賞や対応ゲームでHDRモードが有効になり、Switch 2同様に通常より広いダイナミックレンジで映像が表示されます。
ただしHDR効果の体感レベルは控えめで、例えばPS5の映像を高性能なHDRテレビと見比べると、27US500-Wではピーク輝度やコントラストのメリハリが穏やかに感じられるでしょう。
これは前述の通りモニターのパネル輝度やコントラスト特性(IPSパネル、コントラスト比1000:1程度)によるもので、致命的な欠点ではありませんが「HDRはオマケ程度」と認識しておくと良いです。
リフレッシュレートとVRR
PS5の持ち味である最大120Hz出力やVRR(可変リフレッシュレート)機能については、このモニターでは活かせません。
HDMI2.1対応のディスプレイではないため、120Hz映像信号は入力不可、またVRRに関しても本機はAdaptive-Sync非対応のためPS5側のVRR機能はオフ扱いとなります。
従って、120fps動作が魅力の競技系ゲーム(FPSや対戦格闘など)を最高性能で遊びたい場合や、VRRでフレームレート変動を滑らかに補正したい場合には、本モニターでは役不足です。
そのような用途では将来的にHDMI2.1対応のゲーミングモニターやTVを検討する必要があります。
一方で、60fps以下で動作するゲームが主であれば特に支障はありません。
PS5タイトルの多くはシネマティックな表現重視で30~60fpsレンジですし、120fps対応の一部タイトルも60fpsモードを備えています。
本モニター使用時は自動的に60Hz出力になりますが、その範囲内でゲームを楽しむ分には映像の滑らかさや応答速度は良好です。
映像美と発色
27US500-Wは4K表示時の細密さに加え、色表現も約10.7億色(8bit+FRC)対応でDCI-P3 90%の色域をカバーしており、PS5の鮮やかなグラフィックも十分に再現できます。
IPSパネル特有のナチュラルな発色と広視野角により、ゲーム画面の色彩は豊かで安定しています。
例えばPS5の鮮烈なHDRタイトルである『Horizon Forbidden West』や『Gran Turismo 7』なども4K解像度で細部まで表示でき、色も濃厚に映し出されます。
ただし真っ黒の表現やコントラスト比では有機ELテレビ等に及ばないため、暗所シーンが多いホラーゲームなどでは黒がやや明るめに見える傾向があります(IPSパネルのコントラスト比上限によるもの)。
しかしゲーム用途として総合的な画質は優秀な部類のモニターであり、価格帯を考えればPS5の4K映像を楽しむには十分高水準です。
遅延とレスポンス
映像遅延に関してはモニター側で特別な低遅延設定(DASモード)が有効にできることもあり、PS5でも快適なレスポンスが得られます。
PS5にはテレビ用のALLM(自動低遅延モード)機能がありますが、本モニター接続時はモニター自体が常時低遅延動作のため特別な設定は不要です。
応答速度もGTG 5ms程度と高速で、残像感は少なくゲーム画面の動きはクリアです。
特に60Hz動作であればオーバードライブ設定次第でほぼ残像を感じないレベルまでチューニングできます。
総評
PS5との相性も概ね良好で、4K解像度とHDR画質で次世代ゲームを堪能できます。
高リフレッシュレートこそ活かせないものの、4K60Hz環境としては発色や応答性に優れたディスプレイです。
将来的にもっとハイエンドな映像設定(4K120HzやHDR高輝度、VRR等)を求めたくなった場合は買い替え検討もありえますが、現状ではこのモニターでもPS5の映像美と快適さは十分引き出せるでしょう。
Nintendo Switch 2 & PS5接続時の特徴比較まとめ
最後に、本モニターとNintendo Switch 2およびPS5を組み合わせた場合の主なポイントを表形式で整理します。
項目 | Switch 2を本モニターに接続 | PS5を本モニターに接続 |
---|---|---|
最大映像出力 | 4K (2160p) / HDR10 / 最大60fps対応※Switch 2ドック出力は4K60まで | 4K (2160p) / HDR10 / 最大60fps表示※120fps対応ゲームも60fps止まり |
HDR表示 | HDR10信号入力に対応(HDR映像出力〇) | HDR10信号入力に対応※輝度300nit程度でHDR効果は中程度 |
リフレッシュレート | 最大60Hz(4K時)※1080p設定時は120Hz対応可(モニター側60Hz制限) | 最大60Hz(モニター上限)※PS5本体は120Hz対応(本モニターでは活かせない) |
VRR(可変フレーム) | Switch 2はTV出力で非対応(携帯モード時のみVRR機能) | PS5はVRR対応(HDMI2.1)※本モニターはVRR非対応のため機能せず |
音声出力 | スピーカー非搭載→ モニターのイヤホン端子から出力可 またはSwitch本体のヘッドホン端子利用 | スピーカー非搭載→ モニターのイヤホン端子から出力可 またはPS5コントローラー経由でイヤホン使用 |
入力遅延 | 低遅延(DASモード搭載で応答良好) | 低遅延(ALLM相当、遅延ほぼ感じず) |
その他特徴 | 4K解像度・HDR対応で画質◎27インチは近距離プレイ向き(個人用〇、多人プレイ△)映像補正機能で1080pソースも鮮明 | 4K映像美◎・HDR対応(ただし輝度限界)120HzやVRR非対応は将来的に△発色や応答性能は良好でゲーム適性◎ |
以上の情報を踏まえれば、LG 27US500-WモニターはNintendo Switch 2および将来のPS5利用まで見据えても十分活用できる汎用性の高いディスプレイと言えます。
4K解像度とHDR対応により次世代機の性能を画面いっぱいに引き出しつつ、PCモニターならではの低遅延で快適なゲームプレイが可能です。
ただし、本モニター単体では音が出ない点と、最新ハイエンド映像機能(高リフレッシュレートや高度なHDR表現)には対応しない点だけは把握しておき、必要に応じて外部音響の用意や将来的なディスプレイアップグレードも検討するとよいでしょう。