今回の記事では、LGのモニターである「LG 32UP550N-W」とNintendo Switch 2の相性について調査した結果をまとめています。
このモニターは画面サイズが大きめで、一人でプレイする際には迫力のある没入感を提供します。
画面の細部まで大きく表示されるため、画面内UIに小さな文字が表示されるゲームにおいて特に効果的です。
Nintendo Switch 2のTVモード映像出力互換性
解像度・HDR
Nintendo Switch 2のドックは、対応するディスプレイに接続することで最大4K解像度でのゲームプレイ出力に対応しています。
具体的には、ドック接続時に最大4K@60Hzで映像を出力でき、HDR(High Dynamic Range)表示にも対応しています。
LG 32UP550N-Wモニター側も4K (3840×2160) 解像度・HDR10に対応しており、HDCP2.2にも準拠しているため、Switch 2の4K HDR信号を問題なく表示できます。
モニターはHDR10対応なので、対応ゲームや映像では明るい部分をより明るく、暗い部分は深みのある黒で再現できます。
これは増えつつあるHDR対応の映像作品やコンソールゲーム機の映像もよりリアルに描写できることを意味します。
要点: Switch 2のテレビモード出力とモニターの仕様は解像度・HDRともに合致しており、4K HDR表示が可能です。
アップスケーリング
Switch 2のドックにはNVIDIAカスタムプロセッサが搭載されており、ゲーム側がネイティブ4K出力でなくてもドック側で映像を4K相当にアップスケーリングして出力する機能があります。
そのため、このモニターに接続した場合でも、たとえゲームが1080pや1440pレンダリングでも4K解像度で表示されます。
モニター自体もSuper Resolution+機能を備えており低解像度映像の精細化を図れる仕様ですが、Switch 2ドック側でアップコンバートしてくれるため、常にモニターのネイティブ解像度を活かした表示が期待できます。
リフレッシュレート・VRR
Switch 2ドックは最大120fpsのフレームレート出力にも対応すると報じられています(※4K出力時は60fpsが上限)。
しかしLG 32UP550N-Wは60Hzパネルのため、120fps信号を入力しても表示は60Hzまでに制限されます。
例えばSwitch 2側で120Hz対応ゲーム(1080pなど低解像度モード)があっても、このモニターでは60fpsまでしか表示できません。
同様にPlayStation 5なども120Hz出力は不可で、最大4K@60Hz表示となります。
また、可変リフレッシュレート(VRR)については注意が必要です。
モニター自体はAMD FreeSync対応(可変リフレッシュレート範囲40–60Hz)で、対応GPUと組み合わせれば映像のティアリングやカクつきを抑制できます。
しかしNintendo Switch 2に関しては、VRRは携帯モード(本体画面)でのみサポートされ、テレビ出力時にはVRR非対応と伝えられています。
実際、任天堂公式の仕様では言及がなく、報道によれば「高価なゲーミングTVを用意しても、Switch 2はドック接続時にVRRをサポートしない」とされています。
一方でLG 32UP550N-WはHDMI2.0ベースのため、仮にSwitch 2がHDMI経由のVRR出力に対応していたとしても、PS5同様標準のHDMI Forum VRRには非対応です(※HDMI2.1のVRR規格とは異なるため)。
総合すると、Switch 2+本モニター環境ではVRR/FreeSync恩恵は基本的に得られないと考えてよいでしょう。
ただし60fps固定のゲームが多い任天堂プラットフォームでは、VRR非対応でも致命的な問題は少ないと予想されます。
HDMI接続の仕様
Switch 2ドックの映像出力はHDMI端子経由で行われます。
LG 32UP550N-WはHDMI入力を2系統備えており(規格は4K@60Hz対応のHDMI 2.0相当)、どちらもHDCP2.2に対応しています。
そのためSwitch 2ドックとHDMIで接続しても、著作権保護コンテンツ含め映像/音声の互換性問題はありません。
HDR伝送もHDMI経由で可能です。また、このモニターはDisplayPortやUSB-C(Alt Mode映像入力)にも対応していますが、Switch 2では後述の通りドックを介したHDMI接続が必須のため、基本的にはHDMI接続一択になります。
携帯モードとの使い分け・ドック着脱の相性
携帯モード時の出力
Nintendo Switch 2はドックから外すと携帯モードとなり、本体内蔵ディスプレイでプレイします。
Switch 2の内蔵画面はフルHD(1080p)解像度でリフレッシュレートも向上(最大120Hz対応)しており、携帯時はその範囲内で動作します。
一方、携帯モードではドック接続時のような4K解像度や高フレームレートは期待できません。
実際、「これらの高度な表示機能はドック接続時にのみ有効で、携帯時には同等の解像度やフレームレートは得られない」と指摘されています。
ドック接続
初代Switchでは一部で「USB-Cケーブル1本で直接モニターに繋いで映す」という裏技的な接続も可能でしたが、Switch 2ではUSB-Cでモニターと直結しても映像出力されず、TVモードで外部画面に出力するには公式ドック経由が必須となっています。
実機検証でも、Switch 2本体をUSB-Cケーブルで直接本モニターに繋いでみたところ映像は出ず、ドックを介して初めて出力が確認されています。
したがって、携帯⇔据置プレイを切り替える際はドックへの着脱が必要です。
相性面では、LG 32UP550N-Wは複数入力を備えているのでドックを常時接続しておけますし、Switch本体の抜き差しによる映像検出もスムーズです。
ドックにSwitch 2を挿入すれば数秒でモニターに映像/音声が切り替わり、取り外せばモニターは待機状態に戻って本体側画面に映像が移行します(初代Switchと同様の挙動と考えられます)。
このシームレスな切替により、大画面プレイと携帯プレイを用途に応じて使い分けやすくなっています。
ドック着脱とモニター利用の利便性
LG 32UP550N-Wのスタンドは高さ調整やピボット(画面回転)にも対応していますが、Switchのゲームは基本16:9横画面のため回転機能を活かす場面は少ないでしょう。
ただ高さ調整ができるので、目線の高さに合わせて快適に据置プレイができます。
ドック自体も有線LANポートを備えていたり冷却ファンが内蔵されており、安定したオンラインプレイや長時間プレイにも配慮された設計です。
Switch 2本体をドックに抜き差しする頻度が高くなっても、モニター側は常に所定のHDMI入力にケーブル接続しておくだけでよく、シンプルに運用できます。
なお、Switch 2の新ドックは初代Switchのドックとはサイズが異なり互換性がないとされていますので、モニターと接続する際は付属の新ドックを使用してください。
モニターの音響面(内蔵スピーカー利用・外部スピーカー/ヘッドホンの可否)
内蔵スピーカーの性能
LG 32UP550N-Wは5W+5W出力のステレオスピーカーを内蔵しており、Waves Audio社の「MaxxAudio」技術で音質を強化しています。
PCやゲーム機を接続するだけで迫力あるクリアなステレオ音声を楽しめるよう設計されており、別途スピーカーを用意しなくても一定の音響体験が得られます。
実際モニターにHDMI接続したSwitch 2のゲーム音も、この内蔵スピーカーからそのまま出力されます。
音量調節はモニター背面のジョイスティックボタンでOSDメニューから行う形になりますが、モニター側で調整できるため特別な操作は不要です。
スピーカー出力5W×2はテレビ内蔵スピーカー等と比べると大出力ではないものの、机上で近距離で楽しむ分には十分な音量・音質と言えます。
特に本機は筐体設計とMaxxAudioチューニングにより、小音量でも音の明瞭さを確保しやすく、手軽にゲームの臨場感を味わえるでしょう。
ヘッドホン・外部スピーカー利用
本モニターはヘッドホン出力(3.5mmステレオミニジャック)も備えており、背面に1つ配置されています。
この端子に市販のヘッドホンやイヤホンを挿せば、Switch 2の音声も含めモニター経由のサウンドを直接イヤホン・ヘッドホンで聞くことが可能です。
また、外部のアクティブスピーカーやサウンドバーを持っている場合は、同じヘッドホン端子からライン出力として接続できます。
ヘッドホン端子にプラグを差すと自動的に内蔵スピーカーからの音声出力がミュートされる設計になっているため(一般的なモニターの挙動)、夜間にヘッドホンでプレイしたり、より高音質なスピーカーセットを繋いで楽しんだりと柔軟な音響環境の構築が可能です。
利便性の面では、モニター経由で音声を集約できるおかげで、Switch 2・PC・PS5など複数機器を接続している場合でも音声出力先を一元化できます。
例えば全ての機器の音をモニター内蔵スピーカー(または接続した外部スピーカー)から出す設定にしておけば、機器ごとに音声出力デバイスを切り替える手間がありません。
その反面、モニターにはリモコンが無いため音量調節は手動になりますが、ゲーム中に頻繁に変えるのでなければ大きな問題にはならないでしょう。
その他の音声手段
なお、Switch 2本体はBluetoothオーディオにも対応していると考えられるため(初代Switchもアップデートで対応)、ドック接続時でもワイヤレスヘッドセットをペアリングして使用可能です。
もしモニターのスピーカーでは物足りない場合や、配線を増やしたくない場合には、Switch 2に直接Bluetoothイヤホンを繋いで音声を聞く方法もあります。
ただし遅延の少なさや同期の確実さでは有線接続が勝るため、シビアなゲームではモニターのヘッドホン端子経由の有線音声が安心です。
他デバイス(PC・PS5など)との併用時のポート構成・性能相性
ポート構成と同時接続
LG 32UP550N-Wは入力端子としてHDMI×2、DisplayPort×1、USB Type-C×1を搭載しています。
この豊富な端子のおかげで、Nintendo Switch 2ドック、PC、PS5など複数の機器を同時にモニターに接続しておき、OSDメニューから入力切替をするだけで使う機器をスイッチすることが可能です。
例えばHDMIポートの一つにSwitchドック、もう一つにPS5を接続し、PCはDisplayPort(またはUSB-C)で繋ぐ、といった運用ができます。
それぞれケーブルを挿しっぱなしにしておけば、遊びたい機器の電源を入れてモニターの入力を切り替えるだけで即座にその機器の映像が表示されます。
ポート間の干渉もなく、解像度や色深度も各入力で4K HDRまでフルサポートされています。
またUSB Type-CはDisplayPort Alternate Mode映像入力に対応しつつ、最大90WのUSB Power Delivery給電とUSBハブ(USB 3.0×2のダウンストリーム)機能を兼ねています。
対応ノートPCであればUSB-Cケーブル一本でモニター出力と充電、さらにキーボード・マウス等のUSB周辺機器接続までまとめられるため、仕事用ノートPCと据置ゲーム機をこのモニター一台で共有するといった用途でも配線を最小限に抑えられます。
Nintendo Switch 2自体はUSB-C直結表示ができないため上述のようにドック経由となりますが、モニター側に十分な空きポートがあるので他デバイスとの共存性は良好です。
HDR表示の併用
PS5やPC(Windows 10以降)などHDR出力に対応した機器を本モニターに接続することで、4K HDRゲームや映像を鑑賞できます。
モニターはHDR10に対応し輝度も350cd/㎡(ピーク360cd/㎡)あるため、エントリーレベルながらHDR効果を体感可能です。
Switch 2、PS5、PCいずれもHDCP2.2対応ポートで接続すれば著作権保護コンテンツ(例:Netflixの4K映像など)も表示可能です。
複数機器を接続している場合でも、モニター側でHDR設定を個別に調整する必要は基本的になく、接続された機器がHDR信号を出力すればモニターが自動的にHDRモードで表示します(初回のみモニター設定で「HDR効果: 自動」にしておくとスムーズです)。
ただしHDR映像はSDRに比べて暗部がやや見づらくなる場合もあるため、必要に応じてモニターの「ブラックスタビライザー」機能で暗部を持ち上げる調整も可能です。
リフレッシュレートとゲーム機能の相性
前述の通り、本モニターは最大60Hz表示のため、PS5や将来のSwitch 2のように120fps出力対応ゲーム機でも、高フレームレート描画をそのまま活かすことはできません。
PS5の「120Hz対応モード」やPCの高リフレッシュゲームを動かしても、映像自体は60fpsに制限されます。
それでも4K解像度での60fps表示は依然滑らかで高精細ですし、多くのコンソールゲームは60fpsまたはそれ以下で制作されているため、大きな支障はないでしょう。
LG 32UP550N-Wは応答速度4ms (GTG, Faster設定) と、VAパネルとしては比較的良好な応答を持つため、高速な映像も残像を抑えて表示できます。
また「DASモード(Dynamic Action Sync)」により内部フレームバッファによる遅延を最小化し、入力から表示までのラグを減らす工夫も施されています。
コンソールゲーム機を接続する際は、モニターの映像モードをゲーム向けの設定(DAS有効など)にすることで、より応答性の高いプレイが可能です。
FreeSyncについては、PCやXboxシリーズX/SであればHDMI経由で有効化できるケースがありますが(Xboxは一部FreeSyncモニター対応あり)、PS5は先述のようにHDMI2.1規格のVRRしかサポートしていないため本モニターではVRRは動作しません。
PC利用時はAMD RadeonのFreeSyncまたはNVIDIAのG-SYNC Compatible機能でVRRを活かせる可能性がありますが、60Hz上限ゆえ恩恵は限定的です(フレームレートが40~60fps付近で変動する場合に効果を発揮)。
総合すると、本モニターは4K60Hz環境において、HDR画質や低遅延表示といった点でSwitch 2・PS5・PCいずれとも高い互換性を示しつつ、一部最新機能(VRRや120Hz)については制約がある形になります。
最後に、主要なポイントを表にまとめます。
項目 | Nintendo Switch 2(TVモード) | Nintendo Switch 2(携帯モード) | PlayStation 5 | PC(デスクトップ/ノート) |
---|---|---|---|---|
最大出力解像度・フレームレート | 4K @ 60Hz(ドック経由時)※ドック側でアップスケーリング対応 | 本体内蔵画面:1080p @ 最大120Hz(外部出力不可) | 4K @ 60Hz(120Hz出力は不可) | 4K @ 60Hz(高リフレッシュレート非対応) |
HDR表示対応 | 対応:HDR10出力可 | - (内蔵画面はHDR非対応) | 対応:4K HDR出力可 | 対応:HDR10コンテンツ表示可 |
可変リフレッシュレート(VRR) | 非対応(※Switch 2はドック接続時VRR未対応。モニターはFreeSync対応) | 本体画面のみVRR対応(120Hz駆動時) | 非対応(PS5のVRRはHDMI2.1必須) | 対応:FreeSyncでティアリング低減 |
音声出力 | HDMI経由でモニター内蔵5W+5Wスピーカーから出力。ヘッドホン端子経由で外部出力も可 | 本体スピーカー or 本体ヘッドホン端子/BT接続 | HDMI経由でモニターに出力(モニターで増幅/切替) | HDMI/DP/USB-C経由でモニターに出力(共通スピーカー利用可) |
接続インターフェース | ドックのHDMI端子→モニターHDMI入力(HDMI 2.0, HDCP2.2対応) | (外部出力なし) | HDMIケーブルでモニターHDMI入力 | DisplayPort / HDMI / USB-C Alt Mode |
備考 | ドック経由でLAN接続可、着脱により携帯⇔据置プレイ切替 | ドック必須:USB-C直結は不可 | 4K60以外に1080p120出力モードあり(非対応) | USB-C接続時は90W給電+USBハブ機能利用可 |