YouTubeにおいて、クリエイターが動画や画像を投稿する場合には、著作権について注意しなければなりません。
今回は、YouTube上での著作権について、EUで可決された第13条について解説します。また、日本のクリエイターにも影響するのかについてもまとめました。
現在、YouTubeチャンネルを運営している人だけでなく、これからYouTubeを始めようと思っている人の参考になると思います。
第13条は、日本ではあまり知られていません。
しかし、日々変化し続けるコンテンツにより著作権関連の法律も変わってくるかもしれません。
著作権については、YouTubeクリエイターにとって深刻な問題となり得ます。
海外の事例を紹介することは、一人でも多くのクリエイターに注意を促すきっかけになると思い、今回の記事にしました。
目次
著作権に関する「第13条」とは
第13条とは
第13条とは、2018年9月12日に欧州連合で提出されたオンライン上のコンテンツに関する著作権法の改正案のことです。
この改正案は、著作権所持者によるコンテンツの保護の改善を目的としてEU圏内で提出された法案です。
第13条の趣旨には、YouTube自体も賛同しているようです。
しかしながら、最初の草案通りのままでは深刻な影響を引き起こしてしまいます。
その影響は、多くのクリエイター、アーティスト、関連業種にまで波及することが懸念されています。
それでは、第13条はどのような問題を引き起こしてしまうのでしょうか。
第13条の問題点とは
2018年9月12日に提出された草案のまま第13条が発効されると、EU圏内で多くの動画が公開停止の対象になってしまいます。
これからYouTubeにアップロードされる動画に関しても厳しく著作権の制限がかけられることになります。
制限の対象となるコンテンツの種類は幅広く、教育動画、公式MV、ファンによるカバーソング、マッシュアップなども対象になってしまいます。
第13条が発効されるとどうなるか
現在YouTubeの機能として利用できる「通告と削除」型のシステムが使えなくなります。
また、YouTubeをはじめとするオンラインプラットフォームは、コンテンツがアップロードされた瞬間から著作権に関する責任を負うことになります。
権利関係について不明確だと思われる動画は、全て公開停止の対象となるのです。
EUのYouTubeクリエイターからしてみれば、生活を脅かすことになりますね。
恐ろしい・・・。
EU圏内のクリエイターへの影響は
EU圏内の動画クリエイターにはどのような影響があるのでしょうか。
動画に含まれている全てのコンテンツについて、映像やサウンドなどについて完全な著作権情報を提供できない場合は、既存の動画だけでなく、これからアップロードされる動画も全て公開停止になります。
意図せず、他の著作権者のコンテンツが含まれてしまう場合もあるでしょうから、動画作りにかなり神経を使うことになりそうです。
日本のYouTubeクリエイターに影響はあるのか
日本のYouTubeクリエイターには、第13条の影響はあるのでしょうか。
結論から言えば、ほぼないといえるでしょう。
コンテンツの著作権情報に少しでも問題があれば、動画がEU圏内のユーザーに対しては、公開を停止されることになります。
EU圏内の人々に動画を投稿しているわけでなければ、ほとんど影響はないでしょう。
ひとまず安心ですね。
自身のチャンネルの動画がどの国のエリアで、どのくらい再生されているかは、YouTubeアナリティクス画面で確認することができます。
第13条についてよくある質問
第13条の最終文面は2019年2月13日に決定しました。同年3月25日の週には最終投票が行われました。
最終版はクリエイターに有利か?
最終版は、昨年9月時点の内容から改善されています。
しかし、変更後もEU圏内のクリエイターにとって不利な点も残っています。
問題点①
問題点は、著作権者から通告を受ける前のコンテンツの扱いについて曖昧なことです。
著作権情報が不明確な動画がYouTube上にアップロードされているままの状態では、YouTubeにとって不利になります。そのため、YouTubeは法的リスクを防ぐために動画のコンテンツの公開を停止することになります。
当然のことですが、著作権違反の可能性がある動画をYouTube上に野放しにするわけにはいかないのです。
特に分かりにくい点は3つあります。
- 著作権者の役割は何か
- 著作権者の許諾が必要なコンテンツは何か
- クリエイターに新たな法的責任があるのか
この3つについて不明点が多いため、EU圏内では波紋を呼んでいるのです。
ソース:第13条についてよくある質問
まとめ
今のところ、日本には「著作権指令第13条」の影響はなさそうです。
しかしながら、日本国内でも著作権に関する法律はあります。トラブルに巻き込まれないためにも、自らコンテンツを発信するクリエイターは最大限の注意を払うように意識しておいた方が良いでしょう。