ゲームをするのであれば、ゲームに特化したモニターがおすすめです。
特にFPSやTPSのようなゲームをする場合は、モニターの性能が勝敗を分けることさえあります。
モニターの性能の中には応答速度という指標があります。
今回はこの応答速度について解説しています。
目次
モニターの応答速度とは
モニターの性能を比較する際に参考にする基準のひとつに応答速度があります。
応答速度は、ある色から別の色に変化するまでの時間を意味しており、黒から白、再び白に戻るまでの時間をミリ秒(ms)で表します。
数値が小さいほど応答速度が速いということを意味します。
通常のモニターであれば応答速度10ms程度が多いですが、ゲーミング用のモニターであれば5ms、できれば1ms以下のモニターが欲しいところです。
ブラウジングやオフィスソフトの操作などでは応答速度は問題にはなりませんが、勝敗のつくゲームとなると無視できません。
10msと1msのモニターでは、体感的には大きな差はありませんが内部のシステムでは10倍の処理速度の差があります。
パネルタイプごとの応答速度
応答速度はモニターのパネルタイプによっても差があります。
TN(Twisted Nematic)パネル
TNパネルは、応答速度が速くゲーミングモニターとして販売されることの多いパネルタイプです。
スマホなどのモバイル端末に広く使われており価格は安い傾向にありますが、視野角と色域が狭くなってしまいます。
少し前までは、何よりも応答速度を優先してモニターを選びたいのであれば、TNパネルを選んでおけば間違いありませんでした。
しかしながら、今ではNano IPSパネルに置き換わりつつあります。(後述)
IPS(In-Plane-Switching)パネル
IPSパネルは見る角度による輝度や色の変化が少なく、視野角が広いという特徴があります。
ですが、他のパネルタイプに比べると価格は高い傾向にあります。
グラフィックデザイナーや動画編集者など、鮮明な映像描写が求められる現場で使われることが多いパネルタイプです。
応答速度はTNパネルよりも高いことが多いため、ゲーミング用として販売されることは少ないです。
FPSゲームなどで重要な応答速度ではなく、綺麗な映像を求めるのであればIPSパネルが向いています。
VA(Vertical Alignment)パネル
VAパネルはTNパネルとIPSパネルの中間に位置するバランスの取れたパネルタイプだと言えます。
TNパネルよりも応答速度は遅くなってしまう傾向にありますが視野角は広くなります。
ゲーミング用途よりかは、映画鑑賞やPCでのデスクワークの用途に向いています。
Nano IPSパネルの応答速度
上記では、IPSパネルよりもTNパネルの方が応答速度が速いと解説していますが、Nano IPSパネルというパネルが普及し始めてからは必ずしもTNパネルは必須ではなくなっています。
Nano IPSでも1msの応用速度を備えたものが多く、ゲーミングモニターにも数多く採用されています。
また、通常のIPSパネルでも1ms以下の応答速度を備えたものが増えてきたため、ゲーミング用としてモニターを選ぶ場合は、IPS・Nano IPSパネルのモニターに軍配が上がります。
Nano IPSパネルはIPSの改良版で2019年にLGから発売されています。
従来のIPSパネルの視野角や色域を保ちながら高速な応答速度を実現しています。
G-SyncやFreeSyncとも互換性があり、ティアリングやスタッタリングなどの問題の解消に役立ちます。
性能的には申し分ないNano IPSパネルモニターですが、その性能の高さゆえに価格が高くなってしまいます。
本格的にゲームをしたいユーザーや映像を扱うプロの編集者に向いています。
リフレッシュレートとフレームレート
応答速度とは話がそれますが、モニターの性能を表す指標にリフレッシュレートとフレームレートというものがあります。
正確にはフレームレートはモニターの性能ではなく、ゲームのソフトウェアやCPU・GPUにより決まります。
●リフレッシュレート
リフレッシュレートは、モニターに表示される画像を1秒間に何回更新するかを意味し、Hz(ヘルツ)という単位で表されます。
120Hzの場合、1秒間に120回画像が更新されるということになり、数値が高いほど滑らかな画像描写が可能になります。
●フレームレート
フレームレートは静止画をフレームとして1秒間に何フレーム描写するかを意味し、fps(frame per second)という単位で表されます。
60fpsであれば、1秒間に60回画像が切り替わるということになります。
数値が大きくなるほど映像は滑らかになります。
リフレッシュレートとフレームレートは密接に関連しています。
リフレッシュレートの数値が高くても、フレームレートが低ければモニターの性能を最大限生かし切ることができません。
性能の高すぎるモニターを購入して宝の持ち腐れにならないように、使用するゲーム機やPCとの相性も考える必要があります。