この記事を読まれている方の中の多くは「英語を習得するためにアニメを活用すれば良いのではなかろうか」と考えているでしょう。
実はアニメを使って英語を学ぶことは、日本人にとって効果的な英語習得方法のひとつです。
アニメを活用して日本語が話せるようになったという外国人もたくさんいます。
ならばその逆も当然可能なはずです。
すでに語学を身につけたという実例があることが、アニメが優れた言語習得コンテンツであるということを証明しているのです。
かつての英語学習といえば、教科書、単語帳、ラジオ、YouTubeなどがありましたが、どれも情報を切り取ったような断片的なものや、一方的なスピーチばかりでした。
情報としてインプットするだけだと、継続するのが辛くなり、途中で挫折してしまう原因になります。
これにより、どれだけ多くの人が英語習得を諦めてきたことでしょうか。
アニメではこのような問題点を解決することができ、さらにストレスなく楽しい英語学習を継続できるようになります。
「継続できない」という最大の課題を乗り越え、自分のスキルとして残るような確かな効果も実感できることでしょう。
今回は、アニメを使って英語を学ぶメリットや具体的な学習方法を解説します。
アニメというコンテンツを使い倒せば、英語はそれほど難しいものではないではないかという、道が開けるような希望を持てるのです。
目次
アニメで英語を学ぶメリット
アニメを使って英語を学ぶメリットはたくさんありますが、ここでは「英語を学ぶ日本人」という視点で解説していきます。
すでにストーリーや内容について知識があるため英語学習に集中しやすい
日本はアニメ大国です。「anime」という単語は「日本のアニメ」という意味を持つほどです。
テレビでは毎日のように新作のアニメが放映されています。
これらの大量のアニメコンテンツが英語で翻訳されるようになれば、日本人にとってはこれ以上無い学習教材となります。
当然ながら、海外でアニメが配信されるようになるまでには時間がかかり、リアルタイムで視聴可能な日本人とはタイムラグがあります。
つまり、英語に翻訳される前にアニメの内容を知ることができるのです。
海外でも人気のあるアニメは翌日には字幕付きで視聴できるようになることもあります。
リアルタイムでアニメを観て、翌日すぐに英語字幕を観るという贅沢ができます。
同じ内容であっても、二つの異なる言語文化から視聴することで感じ方も変わるでしょう。
- 「あの日本語は英語ではこんな表現になるのか」
- 「この単語は初めて知ったな…」
新しい発見がたくさんあり、学べることが無限に見つかります。
言語習得では、この”気づき”が重要になるのですが、「すでに知っている」という前提が、気づきをたくさん与えてくれるのです。
以前の経験との比較がなければ、違いを見つけることはできませんからね。
異なる言語で同じコンテンツを視聴することは、単に新しい言語を学ぶだけでなく、その言葉が持つニュアンスや文化的背景を理解する上でも有効です。
例えば、日本のアニメに頻出する表現や習慣が、英語の字幕を通じてどのように翻訳されるのかを観ることで、英語圏の文化や言語感覚について学べるのです。
言語だけでなく文化を理解することは、グローバル化が進む現代社会において非常に重要なスキルです。異なる文化や背景を持つ人の理解を深め、より良いコミュニケーションを築くために、このような学習方法を活用することは大変有意義になります。
英語音声がつくまでには時間がかかる
字幕が英語対応するのは早いですが、音声まで英語に対応するまでには時間がかかります。
私が普段アニメを視聴するクランチロールでも、音声まで英語に対応しているタイトルは限られており、対応しないものもあります。
英語吹き替えに対応しているアニメを視聴して、リスニングの練習に活用しましょう。
クランチロールについては、日本からアクセスすることはできないため、VPNを使って視聴する方法を後半で解説しています。
アニメは日本文化のため馴染みがある
日本に住んでいない外国人は、日本人とは異なり文化も触れている情報も違います。
メディアやSNSで日常的にアニメコンテンツの話題が上がり、受け身であっても自然にアニメの話題に触れられます。
アニメ作品の多くは日本の文化が基準になっているので、海外の人からすればやはり違和感を感じることもあるでしょう。
ですが、日本に住んでいる我々にとっては、アニメの内容は自然に受け入れられるようになっており、余計なストレスを感じなくて済むのです。
すでに内容がわかっているアニメを英語で視聴すれば、より学習に集中することができるようになります。
日本語訳を意識せずとも、英語の音声や字幕の内容を理解しやすいのです。
内容がすでに理解できているアニメを英語で視聴することは、言語学習ではコンテキスト学習とも呼ばれます。
コンテキストが明確であればあるほど、新しい言語の単語やフレーズを記憶しやすくなります。
視聴者は登場人物が何を言っているのか、どのような状況で発言するのかをあらかじめ知っているため、新しい言語で表現されるそれらの意味を自然と理解し学習することができるのです。
さらに、アニメのようなビジュアルコンテンツは、視覚的な情報も追加されます。
キャラクターの表情や動き、場面の設定などから、言葉だけでは伝わりにくいニュアンスや感情も捉えることができるようになります。
泣きながら「ありがとう」と伝えるのと、笑いながら「ありがとう」と伝えるのでは、感じ方や込められる意味も異なるでしょう。
文章だけでは伝わらない情報もアニメでは感じ取ることができるのです。
感情を動かされた言葉というのは、長く記憶に残ります。
この感情の起伏を利用して、アニメを英語習得に活かすことができます。
また、英語の学習においては、リスニングスキルの向上も重要なポイントです。アニメを英語で視聴することで、さまざまなアクセントに触れる機会が増え、耳が自然な英語のリズムやイントネーションに慣れていきます。
これは、教科書や学校の授業では得られない体験です。
面白いと感じるコンテンツを通じて学ぶことで、モチベーションを維持しやすくなり、長期的な学習にも良い影響を与えます。
言語学習には退屈や挫折を伴うことがありますが、好きなアニメを通じてなら、より積極的にそして継続的に学習に取り組むことができるでしょう。
日常的な表現を学べる
アニメで使われるのは日常的な口語表現なので、教科書や参考書のような堅苦しくてストーリーのない文章とは異なり実用的です。
さらに、アニメで描かれるキャラクターの表情やストーリーに心動かされると、同時に聞いた英語のフレーズが記憶として残りやすくなるのです。
重要なのは、2人以上の会話のやりとりが聴けるということです。
世の中に溢れる英語学習コンテンツの問題点は、1人のナレーターが一方的に英語を話しているだけということです。
そこで話される英語が日常でどのような意味を持つのかを想像しづらく退屈です。
アニメの中では基本的に人物同士のコミュニケーションで英語が使われます。
ナレーション的な英語もありますが、あくまでもストーリーを捕捉する場合に使われます。
アニメ「バクマン」では、「ナレーションでストーリーを進めては、漫画にする意味が無い」という編集者のアドバイスがあります。
つまり、ナレーションは最小限に抑えるという漫画・アニメ特有の技法があるのです。
人物が話す言葉によってストーリーが進むというアニメならではの特性によって、語学学習に適したコンテンツになっています。
アニメにおけるキャラクター同士の会話は、リアルな会話の流れや日常会話で使われるフレーズなど、表現を学ぶ上での素晴らしい教材となります。
特に、異なる性格や特性を持つキャラクターが登場することで、多様な会話のスタイルや単語を耳にすることができます。
また、アニメは感情的な要素がたくさん含まれており、喜怒哀楽を表すシーンでは、声のトーンや強調する単語が変わるなど、感情を伝えるための言語的特徴を知ることができます。
言語学習においては、ただ単語や文法を覚えるだけでなく、適切な場面で適切な表現を使えるようになることが重要になります。
テキストばかりを使った勉強をしていると、女性言葉や男性言葉などを区別なく使ってしまいます。
アニメでは、このような文化的背景を考慮した表現に修正されているため、実際に使える英語として学習に役立てることができます。
理論ではなく体験を通して学ぶのです。
VPNを使って海外サービスにアクセスする方法
ここまでアニメを使って英語を学ぶことのメリットについて解説してきました。
日本人にとって、アニメというコンテンツがいかに英語学習に向いているかということをお分かりいただけたのではないでしょうか。
人にはそれぞれ好みがあり、誰にでもアニメが向いているとは思いませんが、どんな教材を使えばよいか悩んでいるという方は、ぜひアニメを活用してみてください。
それでは、具体的にどのようにしてアニメを英語学習の教材として使えば良いのでしょうか。
英語に対応しているアニメコンテンツは限られています。
ここでは、日本からでも英語音声や英語字幕に対応したアニメが視聴可能なプラットフォームであるcunchyrollへのアクセス方法について紹介します。
crunchyroll(クランチロール)とは
Crunchyrollは、ソニーグループ株式会社が所有するアメリカの定額制ビデオオンデマンドのストリーミングサービスです。
主に日本のアニメを含む東アジアのメディアが制作した映画やテレビシリーズを配信しています。
有料会員数は1300万人に上り、日本のアニメを海外に広めた立役者となっているのです。
日本での知名度が低いのは、日本からクランチロールにアクセスしてアニメを視聴することができないからです。
アクセスするにはVPNを使わなければなりません。
なぜクランチロールが英語学習に適したVODなのか
クランチロールは、日本のアニメに特化した動画が配信されています。
そこで配信されるアニメの全てに英語字幕がついており、中には英語音声に対応したアニメも多数含まれています。
理解度に応じて、字幕だけつけてみたり、音声も英語にして字幕も非表示にするといった柔軟な視聴が可能になります。
英語学習を目的としてクランチロールを利用すれば、お宝教材をたくさん見つけることができるのです。
また、クランチロールは元々日本アニメに特化した配信サービスであったこともあり、馴染みのあるタイトルばかりです。
すでに内容がわかっているコンテンツを英語で視聴することで、英語の理解も促進するでしょう。
VPNを使ってcrunchyrollにアクセスする
クランチロール
クランチロールに日本からアクセスするときにはVPNサービスを利用します。
おすすめのVPNはNordVPNです。
VPNは他にもたくさんありますので、価格やサービス内容を比較して自分に最適なものを選ぶと良いでしょう。
NordVPNでは、2年プラン・ベーシックプランを選択することで月額460円にまで抑えられます。
1ヶ月・ベーシックプランだと月額1960円になります。
長く使うほど安くなる料金体系です。
VPNを使って海外サービスにアクセスするだけであれば、一番安いベーシックプランだけで十分です。
専用のスマホアプリも用意されているため、場所を問わずにクランチロールにアクセス可能です。
クランチロールで視聴可能な主なアニメ
クランチロールでは、数百もの日本のアニメを視聴できますが、特に人気のタイトルを紹介します。
少年ジャンプ系のアニメは海外でも人気があります。視聴者のコメントも見ることができるため、海外の反応が知れて面白いです。
ちなみに、ジブリ作品はクランチロールでは配信されていません。
海外版Netflixで視聴できるため、ジブリ作品が観たいのであればNetflixに登録するようにしましょう。
- ドラゴンボール
- トリコ
- ワンピース
- 呪術廻戦
- 青の祓魔師
- 進撃の巨人
- ドクターストーン
- ハイキュー
- 暗殺教室
- チェーンソーマン
- ナルト
- 幽遊白書
- 名探偵コナン
- キングダム
- スパイファミリー
- ブラッククローバー
- 東京リベンジャーズ
- Re: ZERO
- 約束のネバーランド
これらのアニメの他にも、一生かかっても観きれないほどのタイトルが視聴可能です。
また、日本のVODでは配信されていないアニメタイトルなども常時視聴できます。
日本では滅多に配信されない懐かしのアニメもあります。
日本国内向けのサービスでは、英語字幕が付いているアニメは少ないですので、クランチロールは「アニメで英語を学ぶ」コンテンツとして第一候補に上がるのです。
あらゆるコンテンツを活用する
言語学習はあらゆるコンテンツが学習教材になります。
今回紹介したcrunchyrollだけではなく、YouTube、Amazon Prime、Netflixなど、英語音声や字幕付きで視聴できる動画は無限にあります。
道具は全て揃っているので、あとはどう使いこなすかだけなのです。
アニメというコンテンツは日本人の生活に溶け込みすぎていて、その価値が過小評価されているように思います。
使い方次第でまた違ったアニメの良さが発見できることもあるでしょう。
この記事を通してひとりでも多くの人に気づきを与え、新たな英語学習法として役立てていただければ幸いです。