ウルトラワイドモニターは、通常のモニターよりも画面が横長のモニターです。正確には横縦のアスペクト比が、通常モニターよりも横の比重が大きいモニターを意味しています。
これまでに多くのウルトラワイドモニターが販売されており、レーシングゲームや効率良くデスクワークをすることに活用される機会が多くなっています。
それだけでなく、PCと接続し横に複数のウィンドウを並べたい場合にも便利です。
特に湾曲型のディスプレイは、平面ディスプレイよりも没入感のある映像を体験することができ、映像に強いこだわりがある人や、プレイ中の操作感を重視している人に向いています。
ゲームの他にも、大画面でのマルチタスクを効率化したい人や、長時間デスクワークをしている人にとって、ウルトラワイドモニターは満足度を上げるモニターになるでしょう。
今回は、ゲームや仕事に最適なウルトラワイドモニターと選び方のポイントについて解説しています。
目次
ウルトラワイドモニターを選ぶ際のポイント
ウルトラワイドモニターを選ぶときには
- 画面サイズ
- パネルタイプ
- 設置スペース
- 使用用途
などを事前に確認しておきましょう。
特に本体サイズと設置スペースについては注意が必要です。
「モニターが大きすぎて置けない」という事態にならないためにも、モニターの奥行きと横幅を特に入念にチェックすることを忘れずに!
さらに、デスクの奥行きについても確認しておくことをおすすめします。
ウルトラワイドモニターは画面が大きいだけでなく、湾曲しているタイプのものもあります。
デスクの奥行きが浅すぎると、画面との距離が近くなりすぎてしまい、長時間の利用では目が疲れてしまうでしょう。
そのため、モニター本体のサイズと、デスクの奥行きとのバランスが重要になります。
アスペクト比
アスペクト比とは、画面上の水平ピクセルと垂直ピクセルの関係、つまりモニターの幅と高さの比率を表しています。
ウルトラワイドモニターのアスペクト比は、21:9と32:9の2種類が一般的です。
32:9のモニターは、高さの3倍以上の横幅があるため、設置スペースが十分に確保できるか事前に確保しておきましょう。
一般的に、この2種類のアスペクト比のモニターを「ウルトラワイドモニター」と呼称します。
ちなみに、最も種類の多いアスペクト比16:9のモニターは、1920×1080(フルHD)、2560×1440(QHD)、3840×2160(4K)などの解像度で使われるのが一般的です。
4K以上のウルトラワイドモニターは、まだそこまで普及していません。
ゲーム以外にも役立つ
インターネット閲覧などのためにウルトラワイドモニターを利用すれば、フルサイズのブラウザウィンドウを3つ並べて開くことができます。調べ作業もはかどりますね。
動画編集のタイムライン画面や、サイズの大きいスプレッドシートなどで作業する場合、横に長いウルトラワイドモニターは非常に重宝します。
しかしながら、ウルトラワイドモニターのアスペクト比に対応していないアプリケーションの場合、モニターのサイズに合わず余分な空白スペースができてしまいます。
画面サイズ
一般的なウルトラワイドモニターは、34インチ以上がほとんどです。
29インチの場合もありますが、ウルトラワイドモニターとしてのメリットはそこまでありません。
34インチ未満のウルトラワイドモニターよりも、4K・27インチモニターの方が価格が抑えられて満足感もアップするでしょう。
さらに大きいサイズとして38インチがありますが、広いデスクスペースが必要になり、20万円を超えてくるものも多くなります。
大きければ大きいほど良いというわけでもありません。
43インチを超えてくると、自宅のデスクに置くには大きすぎる場合があります。
このサイズを超えるモニターの場合、平面モニターでは画面の左端から右端までの視線移動が苦痛に感じるため、湾曲ディスプレイが必須になるでしょう。
ゲームに最適
ウルトラワイドモニターは、MMORPGやレーシングゲーム、FPSなどのジャンルに適しています。
湾曲ディスプレイを採用することで、視線の移動を少なくできます。
性能が高いモニターはリフレッシュレートが高く、AMD FreeSyncやNvidia G-Sync機能が搭載される傾向にあります。
リフレッシュレートが高いほど、FPSなどのゲームにとってなめらかで快適なゲームプレイが実現できます。これらの機能は、画面表示のズレや遅延を軽減することに役立ちます。
Nvidia G-Syncと呼ばれる機能を搭載している場合、PCのスペックが高く、よりハイエンドなゲームでのみ対応していることがほとんどです。
Free Syncは、Nvidia GPUまたはAMD GPUのいずれかで動作しますが、G-SyncはNvidiaでのみ動作します。
パネルタイプ
ウルトラワイドモニターは、IPS・VAパネルが一般的です。他にもADSパネルもありますが種類としては少なめです。
IPSパネルは、色表現が豊かになり、視野角が広いためゲーム向きです。
VAパネルは、コントラスト比が優れていますが、正面から画面を見る場合にのみ効果を発揮するため、斜めから画面を見る場合は、綺麗に見えないことがあります。
おすすめウルトラワイドモニター
おすすめのウルトラワイドモニターについてまとめています。
使用用途や設置スペースなどに合わせて最適なモニターを探してみてください。
LG 34WL750-B
34インチのウルトラワイドモニター。
サイズは大きすぎず価格も抑えられたエントリーモデルのため、初めてウルトラワイドモニターを購入するという方におすすめです。
IPSパネルのため視野角が広く自然な色表現が可能です。映像を扱う方やゲームをする用途に向いています。
OnScreen Control機能が搭載され、明るさやコントラストなどを好みに合わせて変更可能です。(Windowsの場合)
画面の明るさやブルーライト低減モードは、このモニターに限らず多くのモニターに搭載されている機能です。
ウルトラワイドモニターの利用を検討しているほどの方であれば、長時間画面を見続けることになるはずですから、目に優しい設定機が搭載されているかもチェックしておくべきでしょう。
ただし、ブルーライトカット機能などでは画面の色が変わってしまうため、ゲームや映画の用途ではなくデスクワーク向きです。
●画面サイズ:34インチ ●解像度:3440×1440 ●応答速度:5ms ●最大リフレッシュレート:61Hz(FreeSync:40-60Hz) ●パネルタイプ:IPS ●アスペクト比:21:9 ●表面処理:ノングレア ●入力端子:HDMI×2、DisplayPort ver1.4×1 ●出力端子:ヘッドホン(ステレオミニジャック) ●HDR:対応 ●ブルーライト低減モード:対応 ●AMD FreeSync:対応 ●スピーカー非搭載 ●フレームレスデザイン
I-O DATA LCD-GCWQ341XDB 34インチ
ゲームに最適な遅延の少ないモニター。
視野角の広いADSパネルを採用しているため、どこから見ても鮮やかで美しい映像を堪能できます。ゲームだけでなく、映画などを楽しみたいという方にも向いています。
DisplayHDR 400に対応しており、通常のHDR対応のディスプレイと比較しても高画質になります。ウルトラワイドの大画面でゲームをプレイ
解像度は、3440×1440(UWQHD)のため、フルHDの約2.4倍の情報量を表示できます。
応答速度は14msのため、PC作業やMMORPGなどのゲームジャンル向きです。(オーバードライブ設定時:2ms)
モニターを変えるだけで、ゲームのプレイスタイルも変わるかもしれませんね。
スピーカーが搭載されているため、外部スピーカーが不要なところがありがたいです。
●画面サイズ:34インチ ●解像度:3440×1440 ●応答速度:14ms(オーバードライブ機能:2ms) ●最大リフレッシュレート:75Hz ●パネルタイプ:ADS(IPSパネルの一種) ●アスペクト比:21:9 ●入力端子:HDMI×2、USB Type-C×1、DisplayPort×1 ●表面処理:ノングレア ●スピーカー搭載 ●フリッカーレス設計 ●フレームレスパネル
LG 29UM69G-B 29インチ
画面サイズは29インチのため、ウルトラワイドモニターの中では小さめです。省スペースでコンパクトに利用したいという方にはちょうど良いサイズ感でしょう。
映像の1コマ間に黒画面を挿入することで、フレームの切り替わり時の残像感やブレのない映像にできるモニターです。
映像出力のタイムラグを抑えるDAS(Dynamic Action Sync)モードを搭載しているため、動きの速いFPSゲームなどにも向いています。
長時間画面を見続けるという方に優しいフリッカーセーフや、ブルーライト低減モードもあるため、目や脳の疲労を軽減したい方は要チェックです。
横長画面を活かした複数ウィンドウを開いたマルチタスクなどもはかどるでしょう。
●画面サイズ:29インチ ●解像度:2560×1080 ●パネルタイプ:IPS ●応答速度:5ms ●リフレッシュレート:56〜75Hz ●アスペクト比:21:9 ●入力端子:HDMI 1.4×1、DisplayPort 1.2×1 ●スピーカー:搭載 ●表面処理:ノングレア ●HDR:対応 ●AMD FreeSync搭載
Acer Z35bmiphz 35インチ
没入感のある湾曲型ゲーミングモニター。
ゲームのジャンルごとにGame Viewモードを切り替えることで、最適な映像品質に自動で最適化されます。
リフレッシュレートは144Hzに対応しており、なめらかな映像でのゲームプレイが楽しめます。
モニターサイズは35インチのため設置スペースは事前に確認しておきましょう。
画面サイズは大きいですが、解像度は2560×1080と物足りなさを感じてしまいます。
ゲーミング用よりかは、動画編集や3D制作などの用途に向いています。
●画面サイズ:35インチ ●解像度:2560×1080 ●アスペクト比:21:9 ●応答速度:4ms ●リフレッシュレート:144Hz ●パネルタイプ:VA ●入力端子:HDMI 1.4×1、DisplayPort 1.2×1 ●スピーカー:搭載 ●表面処理:ノングレア ●G-Sync対応 ●スピーカー搭載 ●フリッカーレス ●寸法(幅×高さ×奥行き):84.4cm×55.4cm-68.4cm×29.9cm
ASUS ROG Strix XG35VQ 35インチ
AMD FreeSyncを搭載しており、画面のチラツキのないゲームプレイが可能になるモニター。
FPSをプレイする人向けのエイムポインター表示機能があり、ゲーム向けに特化された機能が豊富に搭載されています。
ゲームの腕前を上達させたいユーザーの練習用として役立つ機能のひとつです。
高さ調整・チルト角調整機能があり環境に合わせて設置できます。
ASUS独自のAura Sync照明技術が搭載されており、ゲームのサウンドエフェクトに合わせた光の躍動を演出します。
●画面サイズ:35インチ ●解像度:3440×1440 ●アスペクト比:21:9 ●応答速度:4ms ●リフレッシュレート:100Hz ●パネルタイプ:VA ●本体サイズ(幅×高さ×奥行):83.4cm×46.8cm×31.7cm ●質量:約12.2kg ●入力端子:HDMI 1.4×1、HDMI 2.0×1、DisplayPort 1.2×1 ●ブルーライトカット機能 ●表面処理:ノングレア ●AMD FreeSync対応
Dell U3415W 34インチ
映画館並みの解像度と、極上のサウンドを提供するウルトラワイドモニターです。
接続端子が多く、ゲームのみならず映画鑑賞やサブモニターとしても役立ちます。
映画をよく見る方や、ハイエンドなゲームを長時間プレイする人に向いています。
Amazonで購入すると3年保証があり、1点のドット抜けからでも保証の対象になります。
曲面モニターではありますが、視界を包み込むよほどカーブしておらず、両端が見やすくなる程度の湾曲です。
大量のウィンドウを開いて画面いっぱいに並べたい方には便利なモニターです。
●画面サイズ:34インチ ●解像度:3440×1440(WQHD) ●アスペクト比:21:9 ●パネルタイプ:IPS ●応答速度:5ms ●リフレッシュレート:60Hz ●入力端子:HDMI×2、DisplayPort、Mini DisplayPort、MHL ●スピーカー:搭載 ●表面処理:非光沢 ●本体寸法(幅×高さ×奥行):82.4cm×40.8cm-52.3cm×21.6cm ●重量:11.25kg
LG 34GK950G-B 34インチ
Nano IPSパネルは、鮮やかで自然な表現ができることが特徴。
暗いシーンの視認性を向上するブラックスタビライザー機能により、暗い場所の敵などを発見しやすくなります。明るさは趣向に合わせて調整可能です。
NVIDIA G-Syncに対応しており、なめらかな映像表現でのゲームがプレイできます。
フレーム間に黒色を挿入して残像を改善するモーションブラーリダクション機能を搭載しています。
●画面サイズ:34インチ ●解像度:3440×1440 ●アスペクト比:21:9 ●パネルタイプ:Nano IPS ●応答速度:5ms ●リフレッシュレート:100Hz ●入力端子:HDMI×1、DisplayPort×1、USB3.0×1 ●
ASUS ROG Swift PG35VQ
ウルトラワイドモニターの最高峰。
リフレッシュレート200Hz、応答速度2msと画面遷移も高速でなめらかです。
高品質なヘッドホンアンプを内蔵しており、ダイナミック・レンジと歪みのないサウンドで圧倒的な没入感を演出します。
●画面サイズ:35インチ ●解像度:3440×1440 ●アスペクト比:21:9 ●パネルタイプ:VA ●最大リフレッシュレート:200Hz ●応答速度:2ms ●入力端子:HDMI2.0×1、DisplayPort1.4×1、USB3.0 Type-B×1、USB3.0 Type-A×2 ●スピーカー:搭載
ゲーム用にウルトラワイドモニターを選ぶなら
ゲームではアスペクト比の大きいウルトラワイドモニターの方が有利です。
アスペクト比が大きくなれば、通常モニターでは見えない部分まで見えるようになるからです。
勝敗を分けるオンラインゲームでは、実力だけではなく使用しているモニターも重要になるのです。
残酷ですがこれが現実です。
注意しなければならないのは、ウルトラワイドモニターでアスペクト比16:9用のゲームをプレイする場合は、画面が横長に伸びてしまうということです。
例えば、PS4のようなゲームをウルトラワイドモニターでプレイすると、横に引っ張って伸びたような映像になってしまいます。

プレイできなくはないですが、気になる人は多いでしょう。
PS5であれば、アスペクト非21:9のウルトラワイドモニターに対応しています。
参考記事↓
https://www.benq.com/en-us/knowledge-center/knowledge/ps5-on-ultrawide-monitor.html
ゲーム用として使用するのであれば、PCゲームやPS5での利用がメインになるでしょう。
これらを踏まえた上でゲーム用にウルトラワイドモニターを選ぶなら、ASUS ROG Strix XG35VQがおすすめです。
ゲーミング向けの機能が多く、解像度・リフレッシュレート・応答速度において高い性能を備えています。
価格が唯一気になるポイントですが、性能に関しては文句なしです。
仕事におすすめのウルトラワイドモニター
仕事用にウルトラワイドモニターを使うのであれば、解像度の高いものにするべきでしょう。
複数のウィンドウやアプリケーションを立ち上げて作業することができるため、ウルトラワイドモニターのメリットを最大限活かすことができます。
通常のモニターであれば、解像度が高くても画面領域が狭いため文字が小さくて読みづらくなりがちですが、ウルトラワイドモニターは画面の大きさを活かして拡大することができます。
注意しなければならないのは、解像度が高いモニターを作業用として使用する場合、例えば4Kで出力したい場合は接続するモニターも4Kに対応していなければなりません。
作業用として、比較的高スペックのWindows PCを使う場合にウルトラワイドモニターがおすすめです。
これらを踏まえた上で、ウルトラワイドモニターを選ぶ場合、LG 34WL750-Bがおすすめです。
解像度が高く複数ウィンドウを開いた状態でのデスクワークに最適です。ウルトラワイドモニターの中では価格は安く、仕事用にぴったりのモデルです。
デュアルディスプレイという方法もある
今回は、ウルトラワイドモニターを紹介しましたが、大画面でゲームやPC作業をしたいのであれば、デュアルディスプレイにするという方法もあります。
価格の安いモニターを2枚用意しても、価格としてはウルトラワイドモニターよりも抑えられることもあるため、用途に応じてモニターを選びましょう。